東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。247円安の27,097円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で364円安の26,981円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと11時前に79円安の27,265円まで戻し97円安の27,248円で前場を終えました。135円安の27,209円でスタートした後場の日経平均は14時50分前に269円安の27,075円まで下落すると結局240円安の27,105円で取引を終えています。こうしたなか新興株も軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表し通期の業績予想を上方修正したイビデン(4062)やオリエンタルランド(4661)が大幅高となりました。イビデンが旺盛なデータセンター投資を背景にICパッケージ基板の好調な販売が続くと見込まれることから通期の営業利益の見通しを670億円から730億円に引き上げ減益予想が増益予想となったことで12.4%高となったほか、オリエンタルランドも有料優先券や商品などの販売拡大で客単価が上昇したことなどから通期の営業利益の見通しを502億円から800億円に引き上げたことで5.1%高となりました。

アドバンテスト(6857)も一時4.7%高となりました。高機能化や電気自動車向けなどの需要増加を背景に半導体メーカーなどの投資意欲が根強く試験装置の販売が大きく伸びたことなどから上期の営業利益が前年同期比で85.2%増となったことで大幅高となりました。また、昼休み時間中に決算を発表した豊田自動織機(6201)も3.7%高となりました。原材料費や人件費の高騰が重荷となり上期の営業利益は前年同期比で2.5%減となりましたが、市場予想を上回ったことで後場に一段高となりました。

一方で上期決算を発表したファナック(6954)や機械部品大手のミスミグループ本社(9962)が大きく下げました。ファナックは中国におけるスマートフォン関連の設備需要が減速し数値制御(NC)装置や小型切削加工機などのロボマシンの販売が減少することなどから通期の営業利益の見通しを1984億円から1817億円に下方修正し増益予想が一転して減益予想になったことで5.5%安となり、ミスミグループ本社も新しい基幹システムの導入に関わる費用の増加が重荷となり上期の営業利益が前年同期比で5.6%減となったことで一時7.4%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は240円安となりました。主力ハイテク株への売りが続き昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅下落となったことで続落となりました。昼休み時間中には大規模な金融緩和の維持を決めた日銀の金融政策決定会合の結果が発表されましたが、反応は限定的で一日を通してマイナス圏での推移となりました。しかし、一時は360円以上下げ節目の27,000円を下回る場面もありましたが、27,000円を小幅に割り込んだところでは下げ渋りました。そのため27,000円近辺での底堅さが意識されそうで、こうしたなかで本格化する決算発表を支えに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後には日立(6501)やセイコーエプソン(6724)、SCREENホールディングス(7735)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には9月の米個人所得と個人消費支出(PCE)が発表されるほか、23時には10月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。さらに28日の米国ではエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)