先週、防災のお話を書いた直後、大きな災害が関東・東北地方を襲いました。被災された方には心からお見舞い申し上げます。早く復興されることを祈念してやみません。

いくら備えても、想定を超えた規模の災害ではほとんど役に立たないのでは・・・とニュースの映像を見ると愕然とします。
家もろとも被災してしまうと、いわゆる「タンス預金」の現金等現物は失ってしまうことも。貴重品を手元においておきたい、という気持ちは高齢の方ほど強いようですが、それではお金を生まないばかりか大きなリスクとなります。
金融資産は、信用性の高い金融機関に預ける、運用することで資産は殖えてくれるチャンスがあります。最近の日本の金融機関に信用不安を感じる場面は少ないですが、付き合う金融機関もきちんと選びたいものです。担当者の感じが良いからなどという理由では決めないでくださいね。
防災グッズや保険等を準備することはもちろん、金融資産や貴重品に対する習慣や考え方も見直しておきましょう。

ライフプラン全体で「被災リスク」により注目することもその一つです。そもそもライフプランニングは、将来の夢や希望を実現するため、その障害となりうるリスクに備え、老後にいたるまで経済的に心配ないようにすることを目的に行うものです。ですが、多くの場合、「万が一のリスク」とは失業や病気、怪我等を示し、生活費の6か月分程度は流動性資金にしておきましょう、保険にも入っておきましょう、というもの。
今回の被災報道の中で、4年前の東日本大震災で被災した家をようやく再建したところ、ふたたび被災してしまったという高齢の方がいらっしゃいました。まさかの短期間での再被災。家屋や生活の立て直しには、保険や自治体の補助金、その他の制度を利用しても、どうしても自己持ち出しは数百万円以上かかってしまうでしょう。高齢になってから、老後資金としての貯蓄も切り崩さないわけにはいかないかもしれず、今後の生活における不安も続きます。

最近は50年に一度、100年に一度といった災害が増えているように感じます。明日は我が身ということを誰もが意識しておく必要はありますよね。そう考えると生活費6か月分程度の流動性資産だけではどうにも足りませんし、将来に備えてお金を殖やすための運用資金も必要です。そしてそれらの資金は安全性の高いところに置くべきです。(けっしてタンス預金などではなく!)
またライフプランニング上で、必要額というものを想定しますが、その金額の見直し、加入すべき保険の種類やその保険金額などについてもあらためて考えてみましょう。ただし、無駄にコスト高にならないように保険金額は慎重に考えてくださいね。身の回りに起こりうる様々なリスクを再度確認した上で備えの見直しをしておくことが大切です。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員