東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに小幅反落となりました。24円安の27,407円で寄り付いた日経平均は9時20分過ぎに18円高の27,450円を付けた後9時50分過ぎに79円安の27,352円を付けるなど昨日の終値を挟んで揉み合うと52円安の27,379円で前場を終えました。80円安の27,351円でスタートした後場の日経平均は13時30分過ぎに24円安の27,407円まで持ち直す場面もありましたが、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ大引け間際に101円安の27,330円まで下落し結局86円安の27,345円で取引を終えています。こうしたなか新興株も軟調で東証マザーズ指数が小幅に下落となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表し通期の業績予想を上方修正した銘柄に大きく上げる銘柄がみられました。日立建機(6305)がインフラ投資や資源開発による堅調な需要が続くなか部品供給網の正常化や円安が利益を押し上げることなどから通期の調整後営業利益の見通しを940億円から1100億円に引き上げたことで4.7%高となったほか、オムロン(6645)も主力のファクトリーオートメーション(FA)事業や電気自動車、半導体検査装置向けの電子部品事業で高水準の受注を抱えることから通期の営業利益の見通しを930億円から950億円に上方修正したことで一時4.1%高となりました。富士通ゼネラル(6755)も北米やインド向けを中心とした海外向け空調機の売り上げが伸びることなどから通期の営業利益の見通しを170億円から180億円に引き上げたことで5.0%高となり、カプコン(9697)も6月発売のモンスターハンターが想定を上回る伸びをみせたことなどで通期の営業利益の見通しを480億円から500億円に上方修正したことで7.9%高となり上場来高値を更新しています。

一方で日東電工(6988)が3.0%安となりました。スマートフォンに組み込む回路基板で採用機種が増えたことや円安効果で上期の営業利益は前年同期比で26.7%増となり最高益を更新しましたが、会社予想や市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。第3四半期の決算を発表したキヤノン(7751)も6.2%安となりました。円安の進行により外貨建て借入金で為替差損が発生したことなどで通期の純利益の見通しを2620億円から2500億円に下方修正したことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は86円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均がほぼ横ばいとなるなかでナスダック総合株価指数が2%安と大きく下げるなど買い材料に乏しいこともあり小幅に反落となりました。一時プラスとなる場面もありましたが、節目の27,500円を前に上値が押さえられると売りが優勢になりました。そのため上値の重さがやや意識されそうで、こうしたなかで本格化する決算発表を支えに27,500円や75日移動平均線(27,542円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後には信越化学工業(4063)や富士通(6702)、アドバンテスト(6857)、ファナック(6954)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時15分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、21時30分には7-9月期の米GDP速報値や米新規失業保険申請件数、9月の米耐久財受注額などが発表される予定で、27日の米国ではアップル(AAPL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、インテル(INTC)、キャタピラー(CAT)、マクドナルド(MCD)、メルク(MRK)、ハネウェル・インターナショナル(HON)などの決算発表も予定されています。さらに明日は日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で、一部には日銀が政策修正に動くのではないかとの見方もあることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)