先週はかなりジェットコースターな相場展開でしたね。
まだ不安要素も多く、しばらく不安定な動きを繰り返すかもしれません。
さて、もう8月の終わりです。今年も残り3分の1、これから年末まではあっという間ですね。こうして年々時間が飛ぶように過ぎて行ってしまい、気が付けば・・・ということばかりです。小さい後悔や失敗は先々笑い話にできることも多いのですが、「気が付けば・・・」で困るのは「気が付けば、そろそろリタイアだけど、貯蓄はほとんどない!」というケース。
こればかりは笑って済ませられず、その後の人生の死活問題になってしまいます。若い世代であれば、「稼ぐ」「節約する」で時間を味方につけて状況を打破していくことができることもありますが、年金収入のみでの生活は大変厳しい上、切り崩せる資産がないと、万が一の事態(病気等)にも対応できなくなってしまいます。
高齢化社会でリタイア後の第二の人生は長くなり、節約だけでかろうじて生きていくよりは趣味や生きがいを持って楽しみたいとは誰でも思うことですよね。

読者の皆様は少なくとも投資運用する手元資金があり、そこまで逼迫した方はいらっしゃらないと信じますが、収入の多い方にも意外な落とし穴がありますので、今日はそのお話をしましょう。

まず収入が多いと、当然のことながら支出の多い生活をしがちです。
学生時から厳しい景気状況にいた若い世代は、無駄な出費を控える傾向があり、年金をあてにできないという切迫した環境を見聞きし、自分のことは自分で、という意識も高く、貯蓄傾向も強いものです。
バブル経験者や、生活水準を向上させる志向が高いと、収入が上がるとそのまま支出を増やしてしまいがちです。が、収入は上がり続けるわけではなく、それどころか定年前には減額されることもあります。生活水準や消費性向は変えにくく、なおかつ子どもの教育費等はより嵩んでくる年代でもあります。
どうにか生活に支障なく過ごせていても、知らずしらず貯蓄を切り崩していたり、退職金に過剰な期待を持っていたりするようです。
どこかで軌道修正しないと、リタイア後も「楽しみ」にお金をかけることに抵抗がないまま、それこそ気が付けば貯蓄はゼロ!ということにもなりかねません。

そうならないためには、「稼ぐ人」「使う人」という完全分離をなくし、家庭内でしっかり情報を共有、「管理する人」が将来まで見据えて全金融資産をコントロールする必要があります。今後将来にわたって節約オンリーの生活をするのではなく、お金をかけるべきところ、無駄なところ(=カットできるところ)をはっきりさせ、家族で協力することが大切です。

元々収入の多い世帯であれば、早めにそうした対応をすることでそれほど無理なく軌道修正できるはずです。
光陰矢の如し...何事も早めに手を付けるようにしましょう。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員