東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。103円安の26,903円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで131円安の26,875円まで下落した後9時50分前に21円安の26,985円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅をやや広げ55円安の26,951円で前場を終えました。28円安の26,978円でスタートした後場の日経平均はじりじりと下げ幅を広げ大引け間際に137円安の26,869円まで下落すると結局116円安の26,890円で取引を終えています。こうしたなか新興株も軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表したディスコ(6146)が7.9%高となりました。半導体の基板であるウエハーをチップに切り分ける切断装置などが堅調で第3四半期の営業利益が前年同期比で26.2%増になりそうだと発表したことで大幅高となりました。また、ディスコの大幅高に加えて、昨日の米国市場で決算が市場予想を上回ったことで半導体製造装置の米ラムリサーチ(LRCX)が急伸したこともあり他の半導体製造装置株も高く、東京エレクトロン(8035)とレーザーテック(6920)が4.6%高となったほか、SCREENホールディングス(7735)が一時2.8%高、アドバンテスト(6857)も一時3.0%高となりました。業務用ソフトを開発するソフトクリエイトホールディングス(3371)も一時3.6%高となりました。2023年3月期の年間配当計画を40円から50円へと引き上げると発表したことで買いが優勢となりました。レオパレス21(8848)も一時16.4%高となりました。経営陣が主導して入居率を不適切に操作していたと伝わり昨日はストップ安となりましたが、事実無根の内容と報道を否定するコメントを発表したことで買い戻しが入りました。

一方で投資判断や目標株価の引き下げに反応したのがコーセー(4922)やエイチ・アイ・エス(9603)で、コーセーが投資判断の引き下げを受けて4.7%安となり、エイチ・アイ・エスも投資判断と目標株価の引き下げを受けて4.5%安となりました。精密工作機器メーカーのツガミ(6101)も7.0%安となりました。中国市場が予想より苦戦したうえ、円建ての売り上げで円安が利益を押し下げたことなどから上期の営業利益の見通しを95億円から86億円に下方修正したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は116円安となりました。米長期金利が一時2008年6月以来14年ぶりの高水準となったことで昨日の米国市場が続落となったことから売りが優勢となりました。昨日の終値近辺まで戻し下げ渋る場面もありましたが、節目の27,000円を前に上値が押さえられると下げ幅を広げ昨日に維持した25日移動平均線(26,916円)を割り込みました。そのため上値の重さが意識されそうで、こうしたなかで来週から本格化する決算発表を支えに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後には東京製鉄(5423)などが決算を発表するほか、21日の米国ではアメリカン・エキスプレス(AXP)やベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)などの決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)