夏真っ盛り。猛暑続きのまま8月になりましたね。
夏休みということもあり、レジャーや帰省に関連して「家族」という言葉が他のシーズン以上にニュースに載ることが多いように感じます。
マネーや生活にかかわる視点から「家族」を見ると、いくつか早めに気を付けておきたいことがあります。キーワードでいうと「相続」「介護」「おひとりさま」といったところでしょうか。

●相続
これまでも何度か取り上げたことがあるトピックですが、「縁起でもない」とか「あてにしている」等々明るい話題にはなりませんので、どうしても敬遠されがちです。でも後々「争族」にならないためには、元気なうちにぜひとも確認しておきたいものです。

・財産がどのくらいあるのか。→ 借金を含めて、という点が重大です!将来、相続放棄するかの判断点にもなりますので。

・どこに何があるのか。→ 特に離れて暮らしている親族には、何かあった時に整理確認することすら困難に。

・事前対策できることはあるのか。→ 税率も上がり、以前以上に相続税がかかる世帯は大幅に増えています。残される者の負担を軽くする方法は早めに取っておきたいもの。

●介護
身の回りことを自身でできなくなる、痴呆症状が出る・・・といった状況に身内がなってしまった場合、それが遠く離れて住む老親であったりすると子にとっての精神的、経済的な負担は相当なものになります。

・どこに住むのか。→ 決断は難しい点ですが、元気なうちであればこそ双方で考えておくべき。

・費用はどうするか。→ 法的補助があるにせよ介護にはお金がかかります。受ける人(老親)が負担できるのか、どこにそのお金はあるのか(上記同様。認知症状のために見つけられないなどの例があります)等々。遠方から子が通うことになる場合、交通費負担、体力消耗など後々の子世帯の生活に大きく影響します。
病院や特養ホームを探しておく、介護保険を検討する等話し合った上で準備できることをしておきましょう。

●おひとりさま
未婚・離婚率の上昇、高齢化でおひとりさま世帯は年々増加しています。上記二つを担う場合も、本人が当事者になる場合も、「おひとりさま」であればその負担は大きくなります。
自身の老後について不安を感じ、貯蓄や投資を行う人も増えています。ただ、自身の老後を迎える前に上記、特に「介護」に直面すると、考えていたライフプランが根底から変わってしまうことにもなりかねません。
自分ひとりだけのライフプランではなく、身内を含めて考えておきましょう。
猛暑の中、考えるのは気が重いテーマだとは思いますが、もし普段なかなか顔を合わせる機会がない父母兄弟であれば、夏の帰省の機会にでも早めに話しておくとよいですね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員