【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,423.81  ▼99.99 (10/19)
NASDAQ: 10,680.51  ▼91.89 (10/19)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を嫌気して3日ぶりに反落となりました。84ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に138ドル高まで上昇する場面もありましたが、買いが続かず伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎには269ドル安まで下落しました。その後引けにかけて持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局99ドル安の30,423ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も91ポイント安の10,680ポイントとなっています。

2.経済指標等

9月の米住宅着工件数は年率換算で前月比8.1%減の143万9000件となり市場予想を下回りました。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は、経済活動は緩やかに拡大したものの、産業や地区によって状況はまちまちだったとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、不動産が2%を超える下落となったほか、金融とヘルスケア、公益事業、一般消費財・サービス、素材も1%以上下げています。一方でエネルギーが3%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回ったトラベラーズ(TRV)が4%を超える上昇となったほか、原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)も3%以上上げました。また、決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%近く上昇しています。一方でホーム・デポ(HD)が3%を超える下落となり、ダウ(DOW)も2%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算を発表したネットフリックス(NFLX)が世界の有料契約者数が3四半期ぶりに増えたことで13%余り上げています。オランダの半導体製造装置のASMLホールディング(ASML)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで6%を超える上昇となっています。取引終了後に決算を発表したテスラ(TSLA)は売上高が市場予想を下回ったことから時間外で大きく下げています。

5.為替・金利等

長期金利は英国の9月の消費者物価指数(CPI)が高い伸びとなり欧米の中央銀行による積極的な金融引き締めが続くとの見方が強まったことで0.12%高い4.13%となり、2008年7月以来の高水準となっています。ドル円ではさらに円安が進み149円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で27,047円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)