東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅反発となりました。391円高の27,167円で寄り付いた日経平均は直後に454円高の27,229円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時30分過ぎに134円高の26,910円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後は再び上げ幅を広げる展開となりました。209円高の26,985円で前場を終えた日経平均は239円高の27,015円で後場の取引をスタートさせると13時30分過ぎに434円高の27,210円まで上昇し結局380円高の27,156円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

リクルートホールディングス(6098)が5.1%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の2.55%にあたる4200万株と1500億円を上限とした自社株買いを実施すると発表したことを好感した買いが入りました。ミネベアミツミ(6479)も一時3.4%高となりました。東京本部ビルの売却先が決まり2023年3月期に130億円の譲渡益を計上すると発表したことで買いが優勢となりました。経費精算システムを手掛けるラクス(3923)も12.0%高となりました。主力の「楽楽精算」を中心に高い伸びが続いていることから9月の全社売上高が前年同月比で34.1%となったことで買いを集めました。SANKYO(6417)も5.6%高となり年初来高値を更新しました。パチンコ機やパチスロ機の販売が好調で通期の営業利益の見通しを290億円から市場予想を大きく上回る450億円に上方修正したことで大幅高となりました。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがヤマハ(7951)やスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)で、ヤマハが投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.7%高となったほか、スクウェア・エニックス・ホールディングスも目標株価の引き上げを受けて一時2.6%高となり年初来高値を更新しました。

一方で日本国土開発(1887)が7.0%安となりました。好採算案件が減少したことに加え、コンクリートなどの資材価格の高騰を受け建築事業での営業利益率が低下したことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で34.9%減となったことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は380円高となりました。決算発表が本格化するなか市場予想を上回る金融大手の決算が続いていることで企業業績悪化への警戒感が後退したことや、英政府が減税策の撤回を発表したことで金融市場の混乱が落ち着くとの期待も出て昨日の米国市場が大幅反発となったことで買いが優勢となりました。200日移動平均線(27,254円)を前に伸び悩むと25日移動平均線(27,085円)や節目の27,000円を下回る場面もありましたが、英イングランド銀行が量的引き締め(QT)の開始時期を再延期する方針だと伝わったこともあり後場に入って再び上げ幅を広げると27,000円や25日移動平均線を上回って取引を終えています。一昨日に引けで超えることのできなかった25日移動平均線を回復したことからここからの一段高への期待も高まりますが、こうしたなかで明日以降も買いが優勢となった場合には200日移動平均線を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の22時15分には9月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表されるほか、18日の米国ではネットフリックス(NFLX)やゴールドマン・サックス(GS)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)などの決算発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)