狭い日本で日本人同士でも、考え方や常識の違いを感じることは多々ありますから、日本の一般的な常識と世界のそれとが大きく異なるのも仕方ないのかもしれませんが、「貸した方が悪い」と平然と言い張り、また某アンケートに、EU内でもっとも信用できない国はドイツ、もっとも勤勉なのはギリシャと答えるギリシャの国民性は私には理解不能です。給食費を未納で逃げ得をしようとしている人には理解できるのかもしれませんけれど!ちなみに、新国立競技場の建設費については世界と日本のほとんどの人の常識では理解できないように思いますが・・・。
ここ1週間に感じた謎・・・私の考える常識とはかけ離れて理解できない事柄です。

理解云々ではなく、先週世の中を騒がせ、投資家にとって重大な影響をもたらす事柄に中国の株式暴落もあります。ある意味、なるべくしてなったものかもしれませんが、こと中国経済に関しては日本にとって、そのダメージはギリシャのそれとは比較になりません。何といっても、いまや世界第2位の経済大国。日本を始め世界の多くの国が輸出入ともに大きく依存している存在です。出口戦略を探る段階にきている米国にとっても同様で、「一国の経済回復を見据えた金融政策」で済む話ではありません。

では私たち投資家はどうすべきか、まず中国経済の現状を整理しましょう。
■中国市場は実体経済を上回るバブルと考えられる

■中国の個人投資家の多くが信用取引でバブル加速させている

■中国政府による市場操作、介入が多く支配している。
→市場としてまだ成熟していない。

■中国が将来的に現在以上の経済規模になる可能性は変わらない。

■世界経済への影響も引き続き大きい。

将来的に中国市場が先進国並みの自由経済、自由市場になることは、これだけの経済規模になれば当然求められてきます。いつまでも国が操作し、突然の取引停止等でごまかそうとしても世界の投資家の信用を失うだけでしょう。
現在世界中で「爆買い」をしているような富裕層は比較的早い時期から投資を始めていることから巨額なリターンを得た後での損失ですが、信用取引で市場に参加してきている多くの中国人個人投資家はそうした富裕層ではなく、生活を直撃する打撃を受けることも多く、これは日本のバブル期の再来のようです。当然中国個人消費の落ち込みの可能性、つまり中国への輸出への影響も大きくなるであろうことが考えられます。

中国関連投資について、早い時期(株価上昇前)から始め将来の成長を見越しての超長期投資と考えているのならば、冷静に構えてもよいかもしれません。急上昇の後追い、かつ短期の利益目的で市場参加している場合は、一度仕切り直しするのもよいタイミングかもしれませんね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員