東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に3日続落となりました。48円安の26,353円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに87円安の26,313円まで下落した後切り返すとプラスに転じ10時10分過ぎに94円高の26,495円まで上昇しましたが、節目の26,500円を前に伸び悩むと再びマイナスとなり37円安の26,364円で前場を終えました。4円安の26,397円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に62円安の26,338円を付けた後13時10分過ぎに45円高の26,446円を付けるなど昨日の終値を挟んで小幅に揉み合うと結局4円安の26,396円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
オリエンタルランド(4661)が一時3.4%高となりました。政府の観光需要喚起策のイベントワクワク割を活用し通常料金より2割安い1日入場券を販売すると発表したことを材料視した買いが入りました。東芝(6502)も一時3.5%高となりました。再編案について国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に優先交渉権を与えたと伝わったことで再編に向けた交渉が前進しているとの見方から買いが優勢になりました。九州を中心にドラッグストアを展開するコスモス薬品(3349)も5.4%高となりました。関東や九州を中心とした新規出店が寄与したうえ、かぜ薬や夏物商材の販売も好調だったことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で4.0%増と増益を確保したことで大幅高となりました。本決算を発表した医療機器製造のマニー(7730)も16.0%高となり年初来高値を更新しました。歯を削るダイヤモンドバーの売り上げが中国やインドで増加するうえ、手術用の縫合針などの関連製品も新型コロナウイルス禍からの需要回復が見込まれることなどから2023年8月期の営業利益が前期比15.2%増となる見通しを発表したことで買いを集めました。
一方で上期決算を発表したライフコーポレーション(8194)が8.6%安となり年初来安値を更新しました。新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要が一巡したうえ、店舗で使う電気代の高騰などもあり通期の営業利益の見通しを232億円から170億円に下方修正し、一転して前期比で減益となる見込みとなったことで売りが膨らみました。また、昨日の米国市場で半導体製造装置関連銘柄のKLA(KLAC)やラムリサーチ(LRCX)、アプライドマテリアルズ(AMAT)などが大きく下げた流れを受けて日本市場でも半導体製造装置関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時5.9%安、レーザーテック(6920)が3.7%安、SCREENホールディングス(7735)が3.2%安、アドバンテスト(6857)も2.9%安となり、東京エレクトロンとSCREENホールディングスが年初来安値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は4円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなるなか、9月の米卸売物価指数(PPI)の発表や9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を今晩に控え様子見ムードが強く一日を通して昨日終値を挟んで一進一退の展開となりました。明日も9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を夜に控え様子見になりやすいといえますが、こうしたなかで買いが優勢になった場合には本日上値を押さえられた節目の26,500円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、先月下旬から小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算がスタートしていますが本日も引け後にエービーシー・マート(2670)や東宝(9602)、吉野家ホールディングス(9861)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)