シングル世帯であれば当然すべてご自身でコントロールされていると思いますが、ご家族がいる場合はいろいろなケースが考えらえます。
<共働きの場合>
・完全にお財布は別々で、項目ごと(食費、光熱費、家賃や住宅ローンなどなど)に担当を決めている
・お互いが決まった金額を拠出し、その中で家計管理、その他は各自自由
<働き手が一人の場合>
・生活費のみ家計管理者(多くの場合は妻)に渡し、残りは稼ぎ手(この場合は夫)が管理、自由
・すべてを家計管理者が一括管理、稼ぎ手はお小遣いをもらう
さて、巷では「夫の小遣い」はいくらか・・・という厳しいテーマが話題にあることがあります。「節約主婦」と「夫の小遣い」はセットで話題になることも多いようですが、収入は全部妻に渡し、それを妻が管理するケースが多数派なのでしょうか。・・・と書いていたら偶然にも直近のアンケート(マイナビニュース:既婚男性150名対象)を発見しました。そこでは「夫・妻の収入を合わせて妻が管理」が47.3%とダントツとのことでした。
夫がお小遣いをもらう場合、500円ランチ、弁当をもっていく、飲み会費をねん出努力等々、いかに節約して「使う」かが注目されています。ギリギリの金額の中で余裕もなく、毎月完全に使い切る、足りないという声の方が多いのかもしれません。
妻は妻で、少しでも余らせよう、貯蓄しよう、ヘソクリを貯めよう・・・と節約を重ねつつお金をやりくりして「使って」いるはずです。
切実な、涙ぐましい努力・・・日本人の好きな姿勢かもしれませんが、残念ながらそのままではお金はなかなか貯まってはくれないでしょう。
小遣いにせよ、生活費にせよ、主たる目的がいかに「使う」かになっているからです。
決まったお金を「使う」となれば、3月の公共工事のように予算を使い切ろうとしてしまいます。
いやいや、少しでも節約して貯めている...という人でも得られたお金を現金のままどこかにタンス預金・・・ではもちろんお金は一切増えるものではありませんよね。(少しマシでも普通預金のまま、もあまり変わりません。)
お金を稼ぐ人、管理する人、使う人のという役割分担ではなく、お金を増やす「チーム」として、ご夫婦ともに投資や運用の知識を高めていくことが長い目で見るととても大切なのです。「生活費」と「小遣い」の項目の前に、収入からまずは積立などの運用にお金を回すことを協力するところから始めましょう。
いくら節約に励んでも、インフレ期にはとても間に合いませんし、実は堅実な運用の方がよほど節約より効果があるのです。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員