東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。219円高の27,211円で寄り付いた日経平均は直後に224円高の27,216円を付けた後10時50分に38円高の27,030円まで上げ幅を縮めましたが、節目の27,000円を割り込むことなく踏み止まると持ち直し93円高の27,085円で前場を終えました。69円高の27,061円でスタートした後場の日経平均はさらに戻し14時50分前に161円高の27,153円まで上昇すると結局128円高の27,120円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

9月の既存店売上高が好調だったエービーシー・マート(2670)やアダストリア(2685)、ユナイテッドアローズ(7606)が買われました。気温の低下により秋物商品の動きが良くレザーシューズやレディースシューズ、アパレルの販売が好調で9月の既存店売上高が前年同月比で18.1%増となったエービーシー・マートが3.7%高となり年初来高値を更新したほか、下旬にかけて気温の低下と連休により秋冬商品の売上が好調で9月の既存店売上高が前年同月比で11.4%増となったアダストリアも一時3.0%高となりました。ユナイテッドアローズもビジネス需要に加えカジュアルアイテムの動き出しもみられたことで9月の既存店売上高が15.4%増となったことから一時4.3%高となっています。ホームセンターのアークランズ(9842)も10.3%高となりました。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスがアークランズ株を5%超保有していることが大量保有報告書により判明したことで買いを集めました。

一方でイオンモール(8905)が一時2.9%安となりました。新型コロナウイルス禍の行動制限が解除されショッピングモールの専門店の売り上げなどが回復したことなどから上期の営業利益が前年同期の水準を上回りましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は128円高となりました。オーストラリア準備銀行が政策金利の0.25%引き上げを決め4会合続いた0.5%から利上げ幅を縮小させたことで、主要中銀が景気減速などに配慮し利上げペースを減速させるとの見方が強まり昨日の米国市場が大幅続伸となったことから買いが優勢となりました。しかし、昨日と一昨日の2日間で1,000円以上も上昇していることもあって朝方の買い一巡後に伸び悩み上げ幅は限定的となりました。それでも節目の27,000円を上回ってきたことから200日移動平均線(27,322円)や25日移動平均線(27,399円)の回復への期待も高まりますが、週末に米雇用統計の発表を控え様子見になりやすく、利益確定の売りも出やすいなかで週末にかけて堅調な地合いを維持することができるかがポイントとなりそうです。

なお、先週から小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算がスタートしていますが本日も引け後にイオン(8267)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時15分には9月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、23時には9月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)