みなさん、こんにちは。勢いを欠く日経平均株価は、遂にボックス圏の下値にヒットするようになってきました。ここで踏みとどまれるのか、次なる下値の目途を意識する展開となるのか、ここは正念場と言えるでしょう。

為替相場でも、当局は円安基調を押し戻すための介入を始めました。少しずつ流れは変化し始めているように感じています。しっかりと流れを見極め、ここはトレンドフォロワー的な目線を意識しておきたいと考えています。

米国中間選挙とは

そこで、今回はややイベントドリブン的なピックアップとなりますが、「米国中間選挙」をテーマに採り上げてみましょう。ご存知の方も多いと思いますが、米国では来たる11月8日に中間選挙が実施されます。米国の中間選挙は、大統領選挙と大統領選挙の中間となる年に実施されるもので、上院議員の3分の1、下院議員は全員を新たに選任する仕組みです。

この選挙は2年毎に行われます。まず、大統領選挙と同時に議員が入れ替えられ、その2年後、つまり大統領選挙の「中間」の年に政権への信任投票という意味合いで、再度投票がされるのです。

この後者の選挙が「中間選挙」と言われるものです。大統領制にある米国では議院内閣制を採用する日本などとは違い、議会の解散がないため、こういった形で民意が問われることになるのです。

リスクシナリオを含んだ米国中間選挙のアノマリー

ただし、米国のこの中間選挙には面白いアノマリー(経験則)があります。それは、「中間選挙の翌年には株価が上昇する」というものです。実際、過去数十年を遡っても年間で陽線となった年がほとんどであり、しかも平均を上回る上昇率を記録しています。このアノマリーが今回も活きるとすれば、そろそろ買い場なのではないか、という考えもできるでしょう。

当然、米国株価は日本市場にも影響を及ぼすため、日本株への投資家にとっても気になるところです。とはいえ、そもそもアノマリーですから合理的な説明は不可能です。今回(つまり、2023年の相場)にも適用されるのかどうかは、蓋を開けてみなければわからないというのが現実です。

そこで、本コラムでは敢えて冒険して「今回はアノマリーが成立しない」というシナリオを考えてみたいと思います。こういったリスクシナリオをあらかじめ想定しておけば、「アノマリーへの盲目的な信頼」から少し距離を取ることもできます。

かくいう私も「アノマリーにはまず乗ってみるべし」としているのですが、同時に客観的かつ合理的な視点で頭を整理することも心掛けています。

米国中間選挙後、株価上昇はあるのか

そもそも何故「米国中間選挙の翌年には株価が上昇する」のでしょうか。私はよく「選挙は買い」という相場格言をご紹介していますが、これは選挙によって民衆の望む政策が遂行される可能性が増すため、と理由付けられています。

そしておそらく、この中間選挙に関するアノマリーもこれと同様のものではないか、と私は想像しています。現政権の信任投票の結果を見て、来たる大統領選挙ではより民意に沿った政策が打ち出されてくるだろう、という期待の台頭です。

仮に、この解釈が正しいとすれば、今回(2023年)もアノマリーが成立するかどうかは、そういった民意の期待に応えることのできる候補者や政策が出現するのかどうかにかかっていると考えます。

これは、現政権が人気か不人気かに関係しません。不人気であれば、それに代わる新たなリーダー出現への期待値が高まるだけであり、人気政権であれば現政策の延長への期待が集まるだけです。極めてシンプルに選挙結果を起点に新陳代謝が起きることを織り込んでいると言えるのかもしれません。

言い換えると新陳代謝が起きなければ、それだけ期待値は限定的となり、アノマリーは成立し難くなると考えられます。これが現時点で私の考える「今回はアノマリーが成立しない」シナリオになります。

なかなか、フレッシュな人材や政策アプローチがちょっと見え難いということであれば、それは「アノマリー不成立」の兆しとなるのかもしれません。そう考えると、中間選挙後の米国政界の動きは要注目であると言えるでしょう。中間選挙の結果はどうであれ、その結果を真摯に受け止め、大統領選挙戦が始まる前に斬新な政策が出てくるのかどうかが、重要なポイントになるのではないしょうか。

このことは面白い現実を我々に示唆してくれています。アノマリーがこれまで成立してきたということは、取りも直さず、米国では新たなリーダーや政策が必ず出現し、新陳代謝が確実に起こっているということでもあるのです。おそらく、これが米国の底力であり、活力なのでしょう。

現在は、あまり芳しくないように見える方がいたとしても予断は禁物です。これから彗星のようにリーダーが出てくる可能性も十分にあります。なんといっても、米国ではこれまで実際にそうやって人材が輩出されてきているのですから。