「投資成功者の心得は」という記事がGW前の新聞にありました。記事中のアンケートは日経マネー誌によるもので、対象が同誌の読者ですから、かなり経験のある投資家と想像できます。2014年の運用成果が好成績だった人と利益が出なかった人に分けて、「勉強時間」「投資歴」「リスク商品の積み立て」「売買間隔」といった項目においての比較となっていました。

その結果はFPとしてこれまでに提唱してきたことを立証されたように思いました。
曰く、

1)投資は常に勉強することが必要である。

2)市場から強制退場させられないように、長期に渡っての投資を心掛ける。
3)分散投資の大切さ、リスクの高い商品もポートフォリオに組み込み、時間の分散も心掛ける。

4)市場価格の変動に右往左往せず、投資スパンは長め、ただし放っておかずにチェックはする。

解説する前に、注意点として・・・。
このアンケートが2014年に限定した成果であることを考えると、相場自体が右肩上がりで余計なことせずに放っておく方がプラスになりやすかった地合いだったからこその結果だった可能性もあります。ただ、たとえ市場の様相が異なっている場合でも、上記4項目は基本的な強みがあると考えています。

では話を戻しまして・・・。

1)は投資の理論を理解し、なるべく情報を集めて市場と向き合うことが長い目で見て効果を上げることにつながります。当然相場には思いがけない動きはありますが、基本を知っていれば冷静に対処できるでしょう。どれだけ投資歴があっても勉強することはなくなりません。

2)は好成績組に投資歴が長い人が多かったことにも表れています。無茶な投資、リスクの取りすぎなどをせず、上手に相場とつきあえば投資を止めざるをえない(資金がなくなる、大損失をする等)こともなく、自ずと投資歴は長くなってくるものです。

3)は世界的に長く低金利の中、預貯金だけではお金が貯まらない、一点集中 の一銘柄株買いといったリスクの取り方ではなく、少しずつ組み入れることで分散効果が得られることの表れです。ただし、もし2014年が右肩下がりの相場であれば成績は逆転していたでしょう。それでも、積立ではなく、ところどころでリスク商品への投資を入れることで好成績をあげることは可能です。

4)も2014年の相場に助けられたと言える点もありますが、相場の上下に一喜一憂して売買を繰り返すことはなかなか好成績につながらないことも事実です。もちろん時として、機動的な投資行動は必要な場合もあります。欲張りや諦めがつかないことで、ずるずると投資スパンが長くなることはよくないスタイルですので、ご注意を。

こうして見ると、相場状況にかかわらず、この4項目は投資成功者には普遍的だと言えると思いませんか?

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員