東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反発しました。153円高の26,585円で寄り付いた日経平均は9時40分過ぎに92円高の26,523円を付けた後10時過ぎに248円高の26,680円を付けるなど26,600円を挟んで上下80円程度で推移すると220円高の26,651円で前場を終えました。163円高の26,595円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに178円高の26,609円を付けた後やや上げ幅を縮め26,500円台で推移すると結局140円高の26,571円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

しまむら(8227)が3.8%高となりました。大型の台風があり、土曜日も前年より1日少なかったにも関わらず9月の既存店売上高が前年同月比で2.9%減と小幅な減少に止まったことで大幅高となりました。日立造船(7004)も3.9%高となりました。エンジンの安定的な供給につなげるため船舶用エンジン事業を分社化し、国内造船大手の今治造船から35%の出資を受け新会社を設立すると発表したことを材料視した買いが入りました。電子部品メーカーのタムラ製作所(6768)も6.7%高となりました。産業機械や家電向けの電子部品、自動車向けの電子化学材料の売り上げが堅調に推移していることなどから通期の営業利益の見通しを30億円から45億円に上方修正したことで買いを集めました。玩具卸大手のハピネット(7552)も10.5%高となり年初来高値を更新しました。玩具事業でトレーディングカードが好調に推移したことや、アミューズメント事業でカプセル玩具ショップの売上が拡大したことなどにより上期の営業利益の見通しを24億円から32億円に引き上げたことで買いが膨らみました。

一方で楽天グループ(4755)が目標株価の引き下げを受けて3.4%安となったほか、ミスミグループ(9962)も目標株価の引き下げを受けて一時2.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は140円高となりました。昨日までの3日間で1,200円以上も下げ、25日移動平均線との乖離率もマイナス5.5%となるなど短期的に売られ過ぎとなっていたことから買いが優勢となりました。しかし、昨日の米国市場が大幅続落となりダウ平均とS&P500株価指数が年初来安値を更新するなど新たな買い材料に乏しいこともあって自律反発に止まったといった印象です。明日は9月末決算銘柄や3月末決算銘柄(中間期末)の権利付き最終売買日ですが、配当取りの買いに加え、引けにかけて配当の再投資に絡む先物買いがみられるかがポイントとなりそうです。

なお、今晩はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の討議への参加が予定されているほか、8月の米耐久財受注額や9月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数などの発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)