東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅反落となりました。247円安の27,440円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに221円安の27,467円を付けた後下げ幅を広げると11時前に390円安の27,297円まで下落し379円安の27,308円で前場を終えました。359円安の27,328円でスタートした後場の日経平均は小動きとなり27,300円台で推移すると結局375円安の27,313円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
ツルハホールディングス(3391)が4.8%高となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で抗原検査キットの販売が伸びたことや、利益率の高い解熱剤や風邪薬などの売れ行きも好調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比3.3%増と増益を確保し市場予想も上回ったことで買いを集めました。日本製鋼所(5631)も4.1%高となりました。2023年3月期の売上高、営業利益、経常利益の見通しを下方修正しましたが、子会社による不適切行為の影響が見通せないとして未定としていた純利益の見通しを発表したことで不透明感が後退し大幅高となりました。
アパレル大手のTSIホールディングス(3608)も一時8.1%高となり年初来高値を更新しました。中国アリババ集団(BABA)傘下でITインフラを提供するアリババクラウドとゲーム開発スタジオのJP GAMESの3社で次世代ファッションブランド体験実現のためメタバース空間及びサービス構築に向けた共同プロジェクトを開始すると発表したことが材料視されました。ネクシィーズグループ(4346)も4.8%高となり年初来高値を更新しました。湘南美容クリニックグループ代表らとともに設立したアイメッドがオンライン診療サービス領域における協業で楽天グループ(4755)と合意したと発表したことを好感した買いが入りました。
一方で四国電力(9507)が5.2%安となりました。ロシアのウクライナ侵攻以降、燃料価格の先行きが不透明な状況が続いており2023年3月期の業績を見通すことが難しいため未定としていた中間配当を無配にすると発表したことを嫌気した売りが出ました。他の電力会社にも売りが波及し、なかでも東京電力ホールディングス(9501)は3.7%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は375円安となりました。昨日の米国市場が米長期金利の上昇と米連邦公開市場委員会(FOMC)を警戒した売りが出て大幅反落となったことで大幅安となりました。朝方は200日移動平均線(27,395円)を前に下げ渋る場面もありましたが、FOMC の結果発表を控えていることもあり押し目買いも限定的で10時頃から一段安になると200日移動平均線を割り込んでしまいました。
そのFOMC の結果は日本時間の22日午前3時に発表となりますが、利上げ幅が1%になるとの見方が一部にあることや、政策金利見通し(ドットチャート)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見で積極的な利上げ姿勢が示されるとの見方があることなどからマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)