東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に反発となりました。55円高の27,873円で寄り付いた日経平均は9時30分過ぎに17円安の27,801円を付けるなどマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋り底堅さをみせると前引けにかけて上げ幅を広げ本日の高値である127円高の27,946円で前場を終えました。106円高の27,925円でスタートした後場の日経平均は上げ幅を縮め小幅高で推移すると結局57円高の27,875円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
第3四半期決算を発表したパーク24(4666)が8.2%高となりました。新型コロナウイルス感染対策の行動制限が解除され、外出が増えて駐車場やカーシェアリングサービスの利用が増えていることなどから通期の営業利益の見通しを135億円から市場予想を上回る180億円に上方修正したことで買いを集めました。
また、政府が個人旅行客の受け入れを解禁し、米国などからは査証(ビザ)なしでの短期滞在を認めるなど10月をめどに新型コロナウイルスの水際対策を緩和し感染拡大前の状況に近づけると伝わったことからインバウンド需要を期待した買いで年初来高値を付ける銘柄がみられました。JR東日本(9020)が一時3.2%高、JR東海(9022)が一時1.9%高、日本航空(9201)が一時2.3%高、ANAホールディングス(9202)が一時2.2%高、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)が一時2.1%高、マツキヨココカラ&カンパニー(3088)も一時2.9%となり揃って年初来高値を更新しています。
さらに東証グロース市場ではビジョナル(4194)が19.0%上昇しストップ高となりました。新型コロナウイルス禍を背景に企業がデジタル化を進めるなかで専門人材の採用意欲が強く主力の転職サイトのビズリーチの利用が伸びたことで2022年7月期の営業利益が前期比で3.5倍と大きく伸びたことや、2023年7月期の営業利益も前期比で50.2%増となる見込みとなったことで買いが膨らみました。
一方でKADOKAWA(9468)が8.7%安となりました。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で東京地検特捜部が贈賄容疑で角川歴彦会長を逮捕したことで企業イメージの悪化などを懸念した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は57円高となりました。昨日の米国市場が反発したことや、昨日に大きく下げた反動で買いが優勢となりました。しかし、一時は上げ幅を三桁に広げましたが、昨日の米国市場の上昇が小幅だったことや、来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることもあり節目の28,000円を前に伸び悩みました。昨日も28,000円を小幅に上回ったところで上値が押さえられたことから28,000円近辺での上値の重さが意識されそうですが、こうしたなかで明日以降も買いが優勢となった場合には28,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の米小売売上高、8月の米輸出入物価指数などが発表されるほか、22時15分には8月の米鉱工業生産指数と設備稼働率の発表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)