東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。268円高の28,483円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分余りで398円高の28,612円まで上昇した後10時20分前に223円高の28,438円まで上げ幅を縮めましたが、前引けにかけて持ち直すと314円高の28,528円で前場を終えました。318円高の28,533円でスタートした後場の日経平均は小動きとなり節目の28,500円近辺で揉み合うと結局327円高の28,542円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本航空(9201)が一時3.6%高となり年初来高値を更新しました。政府が10月までをメドに新型コロナウイルスの水際対策で導入している1日あたりの入国者数の上限を撤廃する調整に入ったと伝わったことで買いが優勢となりました。また、ANAホールディングス(9202)も一時3.1%高となったほか、インバウンド需要の回復を期待して百貨店株も高くなかでも三越伊勢丹ホールディングス(3099)が4.7%高、松屋(8237)が7.2%高となり揃って年初来高値を更新しています。

日医工(4541)も21.6%上昇しストップ高となりました。医薬品メーカー1社と投資ファンド6社の計7社が出資などの支援の意向を示していると伝わったことで経営再建を期待した買いが入りました。本決算を発表した日本駐車場開発(2353)も11.4%高となり年初来高値を更新しました。電気自動車の普及に対応するため充電設備の導入コンサルティングを強化するほか、運営する月極駐車場検索サイトの充実を図ることなどで2023年7月期の営業利益が前期比で24.4%増の大幅な増益となる見通しを発表したことから買いを集めました。

スマホゲーム開発のgumi(3903)も18.8%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。モバイルオンラインゲーム事業におけるコスト削減が寄与したことなどで第1四半期の営業損益が6四半期ぶりに黒字に転換したことで買いが膨らみました。さらに目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのがTDK(6762)やオリンパス(7733)で、TDKが一時3.4%高となり、オリンパスも一時3.2%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は327円高となりました。米連邦準備理事会(FRB)による大幅利上げ観測の織り込みがある程度進んだことによる米長期金利の上昇一服を受けて先週末の米国市場が続伸となったことで買いが優勢となりました。先週末に超えることができなかった25日移動平均線(28,284円)を上回り上げ幅を広げ節目の28,500円も回復したことからここからの一段高への期待も高まりますが、この3日間で1,100円以上上げたことで利益確定の売りが出やすく、米消費者物価指数の発表を夜に控えて様子見となりやすいなかで明日もさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)