1月も半分過ぎましたが、相場は荒れ模様ですね。
米国の調査・コンサルティング会社が年初に発表するその年の「世界の10大リスク予想」の記事をご覧になったでしょうか。今年の1位は「欧州の政治」、2位は「ロシア」。昨年末以来、まさに市場で注目の二つとも言えます。
さて、そうしたニュースと相場との関係がなかなか結びつかないと先日知人が言っていました。一言で言ってしまえば、慣れと訓練ということになりますが、結びつきや連想、考え方を知らないといつまで経っても慣れようがありませんよね。
相場初心者の方向けに簡単に連想方法を説明しましょう。
まずユーロです。
昨年末ギリシャは大統領選で大統領を選出できず、結果議会解散となりました。年の瀬のこのニュースは年末年始の市場への打撃となり、日本でも大納会、大発会とも下落してしまう結果に。
これは大統領選出できず⇒ギリシャの政治は大丈夫か?不安増大⇒解散総選挙の結果次第ではギリシャのユーロ離脱?⇒ユーロ危機再来?という発想です。もちろん想像だけでなく、ちょっとした要人の発言などが裏付けとなります。
ユーロが危ない=ユーロ売り、相対的に(比較的)安全通貨と思われる円が買われます。円が買われる=円高⇒輸出業が多い日本市場にはマイナス=株価下落 となりますよね。もちろんユーロ危機連想から下落するのは日本株市場だけではありません。
また先週、スイスの中央銀行はこれまで対ユーロに設けていた通貨の値動きの上限を撤廃(=スイス・ショック)。スイスフランは急騰、ユーロスイスだけでなく、主要通貨に対するユーロ売りも広がり、また円買いとなったわけです。
もちろん現在の市場はユーロ情勢だけではありません。
原油価格の下落も最近ずっと注目のトピックですよね。原油価格の下落をOPECが容認・・・というニュースから原油といえば中東のイメージも強いですが、ロシア(非OPEC)も主要産油国の一つです。ウクライナ問題で欧米から経済制裁を受けている上に、主要輸出品である原油価格の急落はますますロシア経済を脆弱化させると考えられ、ロシア・ルーブルの急落につながっています。ルーブル危機となれば、1998年にあったロシア危機の再来を連想します。市場暴落となれば、当然欧米の投資家、企業にも大打撃です。
また、ロシアと同様の産油国、産油ではなくとも資源国として注目されていた諸国にたいしても不安感が出てきます。
こうした連想が他国の市場に影響し、世界中を回ることになるのです。
米経済が調子良さそう、アベノミクスはまだ期待できる・・・?といったことだけが日本の市場に影響を与えているわけではなく、ボーダーレスな時代だからこそ、世界のニュースとその影響に慣れていく必要がありますね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員