2012年9月7日の中国株は大商い・大幅高で、上海総合指数は前日比3.70%高、香港ハンセン指数は3.09%高、ハンセンH株指数も3.96%となりました。前日に欧州中央銀行が国債買入計画を発表したことに加え、中国で総額1兆元を超えるインフラ投資計画が発表されたことが好感されました。以前から指摘しておりましたように、中国経済のスローダウンが鮮明になるに従い、景気底入れの為の財政政策が待ち望まれていたところで、ようやく、25の地下鉄、13の高速道路、7つの港湾・空港、10の汚水処理施設のインフラ投資プロジェクトが認可されたわけです。
その景気対策の規模は超巨額だった2008年の4兆元に及びませんが、1兆元の大台を超え、一定の効果が期待されます。中でも鉄道投資は25のプロジェクトに及び、最も大きな規模になる模様です。これを受けて鉄道銘柄をはじめ、他のインフラ関連銘柄が9月6、7日に大幅高となりました。2日合計の終値ベースでの上昇幅は車両製造の中国南車(01766)が12.76%、電気系統システムなどを製造する南車時代電気(03898)は13.91%、安全制御システムの中国自動化(00569)は21.71%、鉄道建設最大手の中鉄(00390)は8.78%、鉄道建設第2位の中国鉄建(01186)は11.00%といった具合です。その他、建材、セメント、建機メーカーなどの幅広いインフラ・素材銘柄が大きく上昇したほか、日本でもいわゆる中国関連銘柄が大幅高となりました。
中国の鉄道関連銘柄の株価は2011年7月22日の高速鉄道事故によって大暴落、中国南車、中国自動化、南車時代電気、中国鉄建、中国中鉄の株価は、香港相場が安値をつけた2011年10月4日までに軒並み5~6割前後も下がりました。その後の相場回復とインフラ対策期待で、これら鉄道関連株の株価は上昇してきたわけですが、今後は今回の大型インフラ投資を契機に鉄道建設復活してくれば、関連会社の受注も持ち直し、再び騰勢が強まる可能性もあると思います。