東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅反発となりました。302円高の27,732円で寄り付いた日経平均は直後に288円高の27,718円を付けた後上げ幅を広げると11時20分過ぎに575円高の28,006円まで上昇し561円高の27,992円で前場を終えました。542円高の27,972円でスタートした後場の日経平均は一段高となり14時40分前に653円高の28,083円まで上昇すると結局634円高の28,065円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が大幅高となりました。新型コロナウイルス対応の水際対策が7日から緩和されたほか、日本への入国時に求めてきた陰性証明書も条件付きで免除となったことで10月の日本発の国際線予約が緩和発表前の2-6倍に増えていると伝わったことで日本航空が3.6%高となり、ANAホールディングスも一時3.3%高となりました。

中古品販売のシュッピン(3179)も6.0%高となりました。主力のカメラ事業が好調だったことなどで8月の月次売上高が前年同月比12.4%増と高い伸びとなったことで大幅高となりました。モロゾフ(2217)も5.3%高となりました。上期の営業利益が7月29日に上方修正した会社計画を上回って着地したことで業績の一段の上振れを期待した買いが入りました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがファナック(6954)やNTT(9432)で、ファナックが目標株価の引き上げを受けて一時3.1%高となり、NTTも投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.3%高となりました。

一方でパーク24(4666)が4.6%安となりました。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件の関係先として東京地検特捜部が本社を家宅捜索したことから売りが膨らみました。東証グロース市場ではバイオ医薬のアンジェス(4563)が12.3%安となり年初来安値を更新しました。臨床試験で期待した効果が得られなかったことから新型コロナウイルスの従来型を標的にしたワクチンの開発を中止すると発表したことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は634円高となりました。米長期金利の低下を受けて昨日の米国市場が大幅反発となったことで買いが優勢となり、昨日に割り込んだ200日移動平均線(27,458円)を上回って大きく上げ幅を広げ節目の28,000円も一気に回復しました。そのため下値への警戒感は大きく後退しそうで、明日以降も買いが続いた場合には25日移動平均線(28,258円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の20時45分に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されます。通常の3倍となる0.75%の大幅利上げを決めるとの見方もあり注目されます。また、21時30分には米新規失業保険申請件数が発表されるほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が参加する討論会も予定されています。さらに明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)