いよいよ今年も残り2日となりました。
すでに長い年末年始のお休みに入られている方もいらっしゃるでしょう。大掃除にお正月の準備、帰省に旅行に、と大忙しですね。
そこで、ちょっと一息。
今年最後のコラムは「幸せ」について書きたいと思います。
といっても「マネー講座」と無関係というわけではありません。
週末の日経新聞の「幸せを感じる方法」というインタビュー記事をご覧になった方も多いのではないでしょうか。「幸せ」を語っている専門家(大竹文雄教授)は経済学者です。経済学という学問には行動経済学や社会経済学といった統計学やマクロ・ミクロ経済学で語り切れない部分を研究する学問もあります。私自身、学生時代はこの教授の専門と同じ労働経済学の教授の下で学びました。
経済というと、市場=マネーゲーム的なイメージをもたれる方もいると思いますが、人あっての経済で、経済のよって人の生活は変わり、生活によって気持ちも変わります。相場は人によって動くと常日頃書いていますが、市場も「人」ありきということです。
人の幸せの裏側にはその意識の有無は別にして、経済がかかわっているとも言えると思います。お金が減っていく、お金が貯まらない・・・それによる将来に対する不安感が大きければ幸せとは言えませんよね。
いやいや、「愛があればお金なんて・・・」と麗しいセリフも聞こえてきそうですが、人は生活をし、野生に生きるのではない限り、資本経済の中ではお金がないと生活に困るのは現実です。
もちろん、お金をたくさん持っている=幸福とは限らないとは思います。そこが「人」を切り口にした経済学のポイントかもしれません。どのくらいのお金を持てば安心を感じるかは人によって違いますし、たとえすごい大金持ちでも貯めこむばかりで使い道もなければ、心の潤いは得られず「幸せ」ではないかもしれませんね。
現役時代からセカンドライフの準備をしている人の方が幸せを感じやすいというデータもあるようです。
日々の生活の中で備えを蓄える、なるべく早いうちから資産運用を始める(投資を早くから学ぶため、複利効果を得るため等より)ことが安心感を生み、心の余裕を持つことにつながるのでしょう。
周囲のお金、特に金額を比べるのではなく、自身が充実した生活を送るために必要十分なお金が途切れないように早くから準備することが個人の「幸せ」につがなると言えそうです。欧米のように老年になるほど「幸せ」を感じるようになりたいものですね。
今年も1年、ご愛読をありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員