東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。80円安の27,546円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に下げ幅を広げ10時30分過ぎに357円安の27,268円まで下落した後前引けにかけてやや持ち直すと263円安の27,362円で前場を終えました。296円安の27,330円でスタートした後場の日経平均は徐々に下げ幅を縮め大引け間際に185円安の27,440円まで戻すと結局196円安の27,430円で取引を終えました。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

日本郵船(9101)が7.9%安となりました。日本郵船の長沢仁志社長が日本経済新聞の取材で「2022年末に向けてリセッション(景気後退)が避けられなく、コンテナ船の狂乱も今年いっぱいで平時に戻る」と述べたと伝わったことでコンテナ船事業の業績悪化を警戒した売りが出ました。商船三井(9104)や川崎汽船(9107)にも売りが波及し、商船三井が7.0%安、川崎汽船も6.2%安となっています。

第3四半期決算を発表したくら寿司(2695)も9.9%安となり年初来安値を更新しました。夏の新型コロナウイルス感染再拡大によって外食需要が減少したことなどから業績予想を下方修正し2022年10月期の営業損益が9億円余りの赤字に転落する見通しとなったことから売りが膨らみました。佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(9143)も一時3.6%安となりました。三菱UFJ銀行と三井住友銀行が保有する株式の一部を売り出すと発表したことで需給悪化を懸念した売りが出ました。また、目標株価の引き下げを受けて売られたのがシャープ(6753)や太陽誘電(6976)で、シャープが6.6%安となり年初来安値を更新したほか、太陽誘電も一時3.3%安となりました。

一方で144円台前半まで円安が進んだことで自動車株が総じて堅調で、なかでもSUBARU(7270)が目標株価の引き上げもあり3.4%高となったうえ、三菱自動車工業(7211)も3.6%高となり年初来高値を更新しています。さらにユニチカ(3103)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.9%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は196円安となりました。米ISM非製造業景況感指数が市場予想を上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識され長期金利が上昇したことでハイテク株を中心に売りが出て昨日の米国市場が続落となったことから下落となりました。一昨日と昨日は節目の27,500円を前に下げ渋りましたが、本日は27,500円を割り込むとサポートとして意識されていた200日移動平均線(27,467円)も下回りました。そのため下値への警戒感が意識されそうですが、昨日の小幅な反発を挟んでこの6日間で760円以上も下げていることから明日以降の切り返しに期待したいところです。

なお、日本時間の21時30分には7月の米貿易収支が発表されるほか、8日の午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。また、米連邦準備理事会(FRB)高官の講演が予定されているほか、米アップル(AAPL)の新製品発表会も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)