師走に入り、なんだか気ぜわしい気分になってきます。
ここ1カ月ほどはとにかく相場を賑わす事象が多かったですね。

10月末の黒田バズーカ第2弾、先月初旬に始まった「解散風」、GDPショック(第3四半期GDPの予想外のマイナス)、18日の衆院解散、消費税先送り・・・と相場を動かす要因が満載の11月でしたが、最後は先週金曜日に米国では「ブラック・フライデー」を迎えました。
米国は景気拡大、労働市場の改善を背景に、ニュースを見てもその購買意欲は凄まじいものを感じました。事実、11月1カ月のホリデー商戦のオンライン売上高は前年比14%増の320億ドル(約3兆7760億円)だったとのこと。(感謝祭、ブラック・フライデーそろってネット売上高は過去最高を樹立)
消費者の実感としての景気拡大の表れでしょうか。

相場変動要因とはいうものの、為替市場ではほとんど円安方向に振れていく流れでした。もっともインパクトが大きかったのは黒田バズーカのサプライズで、そこを起点にドル円では110円レベルから本日119円台になるまで上昇しました。
日本株市場については円安⇒株高という単純な図式ではなくなっているものの、ひと月余りの間に日経平均は15500円に届かないレベルから本日17600円を超え、年初来高値を付けるに至っています。

と、直近ひと月ほどの相場を振り返ってみましたが、まだまだ相場は賑わう可能性は高いです。
今週金曜日は米雇用統計の発表です。日本とは逆にGDP改定値も好結果な米国ですから、元々重要指標ではあるものの、注目度はますます高まっているところです。結果次第では早期の利上げ期待が大いに高まることも予想されます。
翌週末は衆院選挙。こちらのサプライズ要因はあまりなさそうですが、注意は必要ですね。

注目ポイントの多い、動きの多い相場は市場参加者も(期待を込めて)増えてきますが、その分、急な流れは加速することもあります。
欲張ると痛い目にあうのも、こうした相場ではありがちなもの。

NISAの初年度がもうすぐ終わるとあって、口座を開けたもののまだ使っていない、まだ枠がいっぱい残っている等々、気持ちが焦り気味の方もいらっしゃるかもしれませんが、投資に焦りは禁物です。慌てて高値掴みをすればNISAのメリットを享受できなくなってしまいます。

欧米の投資家はクリスマス前には手仕舞いをするものですが、そうした季節要因も師走相場に影響を与えてきますので、焦りと欲は(なるべく)持たないように、落ち着いて相場を見るように注意してくださいね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員