>第381回 シングルの場合...その1
http://lounge.monex.co.jp/column/money/2014/11/10.html
今週は資産の把握と資金計画についてまとめてみたいと思います。
とは言ったものの、資産の把握や投資手法が世帯状況で異なるのかというと、それはないと思います。投資スタイルやリスクの取り方は個々人の性格、タイプによって向き不向きがありますので。
ただし、資産を把握した後の資金計画は単身世帯と二人以上世帯とは少々異なりますし、資産運用にも少なからず影響する可能性はあります。
資産の把握についてはどの世帯であっても、まずは各自の預貯金、投資商品と金額、加入保険等全ての保有金融資産(負債も)の確認を行ってください。
家族がいる場合は、それぞれがどのような資産をどのような形で保有しているのか、確認、合算をしてください。
最近は夫婦別財布で、資産内容はお互いに深く詮索しないケースもあると思いますが、万が一の時に互いに困ることになりますので、ざっと(特にどの金融機関に保有しているか)は把握しておくべきでしょう。
シングルはこの点楽かもしれませんね。その代わり、誰も手伝ってくれないことを心して、きちんと自身の資産は把握しましょう。
ライフプランニングの経験がある方はご存じだと思いますが、自分が将来受け取る公的年金、自分年金(個人年金や保険等)も合わせて確認してください。
また、退職金や退職年金も確認しておきましょう。
いつからいくら受け取れるのか、それによって資金計画も大きく変わります。
ご夫婦の場合は年金も二人分ありますので、老後のキャッシュフローという意味ではわずかでも頼りになります。もちろん支出も一人より多いのですが、一家庭での食費や生活費は高齢の場合一人か二人の人数の差はそれほど大きな金額差とはなりません。生活必要資金は二人分が一人分の倍ではないのです。
また身体を壊したときのサポート等、ある程度は互いや子どものサポートを期待できるかもしれませんが、シングルの場合は有料で他人の手を借りることになります。
仕事を中断せざるを得ない状況になったとき、家族の別の誰かが収入を得ることで家計を補う、ということもできません。
老後の準備について、シングル家計は万が一のために、二人以上世帯より手厚く準備をしておく方が安心です。
ただし、家族がいる場合でも30-40代で幼い子供のいる家庭の場合は養育費や教育費が必要なうちは十分な準備が必要です。
余裕資金は全てリスクの高い投資へ、とはせずに必要な保険を厳選した上で加入しておくことも安心につながります。シングルの方が死亡保障を多くする必要がないことは言うまでもありません。保険の選択には注意してくださいね。
長期的視野に立って資産を分配、リスクの取り方を考えるようにしましょう。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員