今年もあと2カ月。なんとも早いものです。
師走になれば、また慌ただしくあっという間に過ぎてしまうことでしょう。年末年始に1年の総決算を・・・と毎年のように書いていますが、忙しくて行う時間が取れない、という方もいらっしゃいますよね。少し早目に自身の資産と投資状況の把握、リバランス、リアロケーション等行ってみてはいかがでしょうか。
その際に、一般的なお金の管理だけではなく、ライフスタイルの見直しと老後にかけてのライフプランニングを行うことをオススメします。

先日独身の友人と話していて、あらためて家族構成の多様性を意識しました。政府の試算等で使われるモデル世帯(夫、専業主婦と子供二人)という家族構成は、現在では圧倒的多数というわけではありません。
特に都市部においては、様々な理由からシングル家計がとても多くなっています。
30~35歳男性の未婚率が47%というデータもあり、見渡すと男女共40~50代のシングルも数多くいます。

「独身貴族」という言葉から、自分のお金を自由に使える気楽な身分のイメージもあるかもしれませんが、ずっとシングルでいる場合、自分自身の老後の準備と共に、老親の介護等もより重くのしかかります。
人間は一人では生きていけませんから、早くから友人同士で連携してグループ作りをする方(何かあったときのため)、介護機能付きのマンションを探す方(老親のためだったり、自分自身のためだったり)、「終活」を始める方も増えています。ちなみに「終活」というのは人生の最後を迎えるにあたって行うべきこと(葬儀や墓の準備、財産の相続等)を生前に自分自身で計画を立てることを言います。

そうした様々なライフプランは、もちろん途中で変更になることもあり、(シニア世代の結婚も多いのです)だからこそ1年に一度見直すことに意味があります。家族構成等に変化がなくとも考え方や気持ちは変化しますよね。毎年同じ時期に遺言書を見直される方もいらっしゃいます。

どんなライフプランにも資金計画がかかわりますから、どの計画にどれくらいお金がかかるのか、将来どこでどんな生活をするのか、書き出してみてください。
以前ライフプランの講師をした時に、20~30代のシングル女性から結婚もしたいし、仕事は転職するかもしれないし、子どもも欲しいし・・・でも現時点ではどれも予定は白紙で全く予想できない、と言われたことがありました。
一度決めたらそれに沿った生き方をしなくてはならない、というものではありません。「今考える将来の自分」を妄想でも構いませんから描いてみてください。
書き出すことが現実になる可能性も、それに向けて努力するきっかけにもなるかもしれません。

資産の把握と資金計画の立て方については次週に続けます。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員