先週、急ピッチの相場上昇には急落のリスクがあります・・・と書いたばかりでしたが、懸念した通りの動きとなってしまいました。
前回はFX投資におけるリスク回避について書きましたが、株式投資においても同じように方法があります。一番基本になるのは、前もってリスクを回避するための注文を入れておくことですが、下落局面でも株式投資で利益を得る方法について紹介しますね。

そもそも、FX投資は個人投資家にとっては比較的新しい投資で、通貨の組み合わせの売買であり、買いも売りもできる投資スタイルです。それに対して、株式投資は昔からある投資で、現物株式を「買って」「上がったら売る」というのが基本スタイルです。それだけに「売り」から入る方法を知っていても、かなりの上級者でないと難しい、敷居が高いと感じる方が多いようですね。
株式投資歴が長い方ほど、買い⇒売りというイメージが強いかもしれません。
さて、「売り」から入る株式投資に「信用取引」があります。株式を「借りて」⇒「売る」⇒「買い戻す」という流れになります。
(※売りから入れるのは制度信用取引。銘柄は制度信用銘柄に限定。半年以内に決済する必要。)
FX投資で投資家デビューした後に株式投資を始めた方にとってはFX投資と基本的な考え方が似ているので、信用取引に抵抗は少ないかもしれませんね。

FX投資と同様に、信用取引では手元にある資金(保証金)を元手にそれ以上の金額の取引(マネックス証券では保証金の約3.3倍の金額の株式取引が可能)ができます。通常の手数料以外に、モノ(株式)を借りて売るわけですから、当然のことながら借り賃(=信用取引貸株料)というコストが発生しますし、その他にも市場で信用売りが増えたときにかかる調達コスト(=逆日歩もしくは品賃料)や管理費等コストがかかる投資です。

そうした様々な経費を支払ってなお、相場の下落時のチャンスを得たり、自分の手持ち資金より大きな取引を行うことでより大きな利益を得る可能性があります。
もちろん自分が思ったのとは異なる相場の動きに直面した場合、大きな損失につながる可能性もありますので、コスト分も加味した上で無理な投資計画を行わないことが一番大切です。

最後になりましたが、信用取引はもちろん「買い」からもできます。その場合は証券会社からお金を借りて株式を買い付けることになり、借金の利息として「信用金利」の他、管理費、権利確定日をまたいでポジションをもっているときに名義書換料などのコストがかかります。ただし、配当を受け取ることも可能です。

先週金曜日の米雇用統計の予想を上回る数値に市場にはまた活気が戻りつつありますが、不安材料も引き続きある中です。十分注意を払ってリスク回避を行った上で、チャンスを逃さないようにしたいですね!

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員