3週間前に105円台に乗せた円安水準について書きましたが、すでに109円台に乗せてきています。3週間で3%以上の上昇(ドル)ですから、かなりのハイピッチです。
今回の相場は円売りではなく、ドル買いによるドルの上昇で、他の主要通貨に対してもドルは強い状況にあります。その理由として、さまざまな解説はあるものの、要はFRBによる利上げ「期待」というのが一番大きいようですね。

こうした過熱気味の市場で最も警戒すべきは、急落、この場合は急激なドル売りによる円高ドル安です。
FX投資をされている方、これからFX投資を始めたい方に、こうした相場でリスク対策となる注文方法をご紹介しましょう。
1.すでにロング(ドル買)を保有していて上値を追いつつも、下落相場に備えた損切りの注文も必要という方

トレール注文・・・下がったら売りという損切り注文ですが、指値が固定されず、実際の相場が上昇しているときはその幅に合わせて指値が上昇するため、なるべく利益幅を確保したい時に使えます。
2.すでにロングを保有していて、利確と損切り、双方を固定しておきたい方
OCO(オーシーオー)注文・・・One Cancel the Otherの略で、片方の注文が付いたらもう片方は自動的にキャンセルされます。利確と損切りを同時に注文出しておけます。
損切りのラインを買いレベルにおけば、少なくとも損失は回避できますね。

3.ドル高を見て今後の上昇も期待して、これから買いたい方

IFDOCO(イフダンオーシーオー)注文・・・IFDとOCOを組み合わせた注文。IFD注文はIf Doneの略で、その名前の通り、「もし指値が付いたら」もう一つの注文を有効にしてください、という順番を決めた2つの指値を同時に注文するものです。OCOと組み合わせることによって、「もし指値が付いたら」、利確と損切りの2つの注文が有効にしてください、という注文になります。
例えば、もう少し上昇する(勢いがある)場合、買い注文を出し、その後より上昇すれば利確、下落すれば損切りと一つの売買をまとめて注文できます。
4.いくつかのポジションを保有している方

一括決済注文・・・通貨ペアごとによる一括決済と保有している全ポジションの一括決済の注文のどちらも可能です。ご自身で相場を見ていたい、でも相場の急変があった・・・というような場合にポジションごとに決済をするのでは相場は待ってくれませんので、一気に注文を出せます。これは成行決済の注文となります。
その際、もし事前に注文を入れてあっても自動的にキャンセルとなり、一括決済が優先されますのでご注意を!

相場を見ながら売買するのもFX投資の醍醐味ではありますが、投資は常に「備えあれば憂いなし」です。いろいろな注文方法を試されてみてはいかがでしょうか?

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員