1000万円という大台の金額はいろいろなところで一つの指標として用いられますね。例えば、1000万円の預貯金、1000万円の年収等々。
いずれも目標金額の一つとして登場することが多いです。

ところで男女のどちらが貯蓄をしやすいかご存知ですか?
答えは女性。納得される方も多いでしょうか?
男女の脳の違いによるものだそうで、女性の脳の方が不安を感じやすいとのこと。
将来への不安から「備え」という行動を取りやすいのは女性だということです。
とはいうものの、女性にとっても1000万円貯蓄のハードルはけっして低くはないはず。
給与所得者のみの比較となってしまいますが、国税庁の民間給与実態統計調査(平成24年分)によれば、男女別にみる平均給与は男性502万円、女性268万円 とのことで女性の平均給与は男性の6割にも満たないのです。
なお、正規、非正規の平均給与についてみると、正規468万円、非正規168万円とのこと。非正規社員についてはその約7割が女性(パートタイム等)で、女性の給与所得者のうち4割弱を占めています。
このような収入背景において、余剰資金を貯蓄に回すのは女性の方が厳しいはずですよね。

総務省の「全国消費実態調査」(平成21年)からも女性の「しっかり・堅実」ぶりが伺えます。30代では男性の貯蓄残高が542万円、女性が418万円と女性の方が少ないものの、40代では男性の896万円に対して女性は984万円、50代では男性の1197万円に対し女性は1248万円、60代は男性1387万円に対し女性は1763万円もあります。各世代とも女性の年間収入の方が少ないですから貯蓄年収比が女性の方がずっと高いことがわかります。
女性の平均寿命の方が長いですし、それだけ将来に対しての心構えがあるのでしょうか。データ上でも貯蓄目的は結婚や住宅購入、老後など明確なライフプラン上の目的をもっているのが女性の特徴だとのこと。

面白いデータもあります。自身が保有している金融資産の把握度も女性の方が高いというもの。30代前半までは男女差があまりないようですが、40代以降になると女性は30代時点の把握度をほぼ維持し、男性よりぐっと高くなります。お金をコントロールする意識は女性の方が高いと言えそうです。

最後に女性で1000万円貯めた人への取材記事を読みました。
けっしてつましい節約術を行ったり、ケチケチしたりはせず、好きなことにはお金を使う贅沢ポイントのあるメリハリ消費生活を送っていることが共通点だとのこと。

第373回 「ケチは金持ちになるか?」
http://lounge.monex.co.jp/column/money/2014/08/25.html

第374回 「貯まる財布」
http://lounge.monex.co.jp/column/money/2014/09/01.html

最近書いたコラムそのもののデータが並び、納得です。

大台まで貯蓄を増やしても、預貯金のままではもったいないですね!
貯蓄金額が増えると共に金融知識も増やして、よりお金が増えるよう上手に投資を取り入れてほしいものです。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員