東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。265円安の28,957円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分弱で376円安の28,846円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと11時10分過ぎに223円安の28,999円まで下げ幅を縮め238円安の28,984円で前場を終えました。245円安の28,977円でスタートした後場の日経平均は節目の29,000円を小幅に下回って推移すると結局280円安の28,942円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

化粧品の口コミサイトを運営するアイスタイル(3660)が24.5%高となり年初来高値を更新しました。米アマゾン・ドット・コム(AMZN)との業務資本提携を発表したことで一昨日と昨日は大引けで比例配分となり2日続けてストップ高となりましたが、本日は10時前に39.3%高で寄り付くと一時41.7%高まで上昇する場面もありました。ホームセンターのアークランドサカモト(9842)も一時4.2%高となりました。連結子会社であるビバホームを9月1日に吸収合併するのに伴い中間配当において5円の記念配当を実施すると発表したことを好感した買いが入りました。武田薬品工業(4502)も一時2.4%高となりました。国内企業で初めてワクチンの世界販売を始め、蚊が媒介し熱帯地方で流行する感染症であるデング熱のワクチンをアジアや南米など30カ国で売り、年16億ドルの売上高を目指すと伝わったことで収益の拡大を期待した買いが優勢となりました。

また、目標株価の引き上げを受けて買われたのが日本板硝子(5202)やサンリオ(8136)で、日本板硝子が5.3%高となり、サンリオも3.9%高となり年初来高値を更新しました。一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けて売られたのがオープンハウスグループ(3288)や太陽誘電(6976)で、オープンハウスグループが目標株価の引き下げを受けて一時3.2%安となり、太陽誘電も投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時4.1%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は280円安となりました。昨日の米国市場が景気敏感株やハイテク株を中心に利益確定の売りが出て下落したことから売りが優勢となり、昨日に7ヶ月ぶりに回復した節目の29,000円を小幅に割り込みました。しかし、一昨日の小幅な下げを挟んで4日間で1,400円以上上げ、25日移動平均線との乖離も5%超まで広がっていたことからすると必要なスピード調整とみることもできそうで、調整一巡後に再び節目の29,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や8月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表されるほか、23時には7月の米景気先行指標総合指数や7月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。また、18日の米国では半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)の決算発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)