夏枯れ本番。通常は相場の動きが鈍くなる時期(今年は7月から市場が膠着状態となっていましたが)・・・ですが、直前金曜日の米国のイラク空爆開始に伴う世界的な株価の急落、リスク回避の円買い急進(円高)、その後のドル買い戻しと激しい動きで週末を迎えました。
気候も相場も例年とは異なり、穏やかではない状況が続いています。
投資に関して言えば、相場に動きがある方が儲けるチャンスも増えるわけですが、それでも急な動きはマイナスの影響も多いものです。
災害でも投資でも様々なリスクに対して必要なのは「備え」ですね。
「備え」は大きな損害、損失を食い止めるため安全、安心のために行うものですから、対象の事柄が起きない限りはコストとなるものも多いです。ですが災害、災難(投資での急落などを含めて)は突然やってきますから、「備え」は対峙してからでは遅いのです。
ここではお金・投資についての備えをあらためて考えてみましょう。
■ インフレ(デフレ)への備え
■ 円安(円高)への備え
■ 株価急落(急騰)への備え
■ 老後の備え
■ 相続への備え ・・・・等々
私たちのお金を取り巻く様々なリスクに対する備えがあります。
上記は期間の長短が異なりますし、リスクの捉え方も様々です。
長期間をかけてお金を作ることで将来(老後)の備えとすると共に、環境の変化(インフレ・デフレ、為替の変動等)に対応するためにも投資は必要不可欠です。
そうした投資におけるリスクヘッジの一般的な方法は「分散投資」であることが知られています。
分散投資は変動の波(=リスク)を小さくすることで安定性を高めるため、異なる値動きのものに投資をします。効果がある組み合わせであれば、常に利益を上げているものと損失を出すものが存在することになりますよね。投資対象全てから利益を得られるという旨味はほとんどありません。(その分全部が損失を出すということも少ないはずです。)
長期投資においては損益のブレが小さいほど効果が高まりますが、短期的なスパンで投資されているとあまりメリットを感じないかもしれません。(もちろん短期だからといって一点集中型投資はリスクが高過ぎますので避けましょう!)
速い値動きの中での短期投資で、効果的かつコストのかからないリスクヘッジが「損切り(ロスカット)オーダー」等注文方法の工夫です。
損切り=ロスが出るということでメリットを感じにくいかもしれませんが、オーダーそのものにはコストがかからない上に損失拡大を確実に防げる「備え」です。
様々なリスクに対して備えの種類もいろいろですが、状況に応じて上手に活用したいものですね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員