早いもので今年も半分が過ぎてしまいました!
皆さんの投資状況はどのようになっていますか?

先月、東京証券取引所が『平成25年度株式分布状況調査結果』を発表しました。それによると「全体の97%を占める個人株主数は、前年度比21.3万人減少して4,575万人となった」とのこと。また、「個人株主数が前年度比で減少したのは平成23年度以来2年ぶりで、また、本調査が単元数ベースの調査に移行した昭和60年度(当時は単位数ベース調査)以降では最大の減少幅となった。」ともあります。

調査結果の冒頭、個人投資家の投資意欲が下がってきたかのような「特徴」が列挙されていますが、昨年はある意味、特徴的な年だったことを前提に数値を見れば、この調査結果の見え方は少し変わってきます。

昨年は下記が投資家に大きく影響した1年でした。

1.アベノミクス効果が大きく表れ、年初から年末にかけて日本株価は途中調整はったものの、ほぼ一本調子で上昇した

2.証券税制の優遇税制廃止前の最後の年であった(現在20%上場株式等の売却益に対する譲渡課税は昨年末までは10%だった)
優遇税制が廃止される前に、十分に儲かった株式を売却して利益確定をした個人投資家が多くいたことが想像できますよね。
そうした個人投資家が投資活動から遠のくか・・・といえば、利益を得た投資家がNISAという非課税投資の新しい枠組みを活用しないことは考えにくく、同時に少額ででき、かつ非課税であるNISAの登場はこれまで投資経験のなかった層にも裾野を拡げていることは、この半年の新規口座開設状況をみてもわかります。

また、調査の数字は前年比で個人投資家数が大きく減ったような書かれ方ですが、比率にすればわずか0.5%の減少です。リーマンショック直後の平成21年度以降に減少が見え始める前、10年以上遡って見比べてみれば、平成11年度の3,000万人から昨年度はおよそ1.5倍の人数になっていることがわかります。

昨年の調査からもう一つ見えることは、投資家の投資信託活用の拡大です。個人投資家が0.5%減少したのに対し、投資信託(都銀、地銀、信託銀行保有)は5.2%増加しています。当然その裏には個人投資家の資金が入ってきています。
個人投資家が直接、株式市場で売買せずとも、投資信託を通して株式投資を行い、分散投資をさせることが、より普及してきているとも言えますね。

NISAの始まった今年、個人投資家の裾野は増え、少額投資が増えればより投資信託等ファンドの活用が増えることが想像できます。
今後個人投資家の市場での存在感は、より増していくことが期待されますね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員