ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY)決算:1株利益は1.93ドルで市場予想を上回る
ブリストル・マイヤーズ・スクイブは、心血管疾患治療薬やがん免疫治療薬など様々な治療領域での創薬、開発、販売を手掛ける。がん免疫治療薬分野に注力し、同分野で業界をリードしている。医薬品以外の事業を多角的に展開する競合医薬品会社と異なり、いくつかの非医薬品事業から撤退し、価格設定力が強いとされるブランド特殊医薬品(先発薬)に特化している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比1.6%増の118.87億ドル(市場予想は114.15億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.93ドル(市場予想は1.79ドル)
2022年度通期ガイダンス
★売上高・・・460億ドル(従来予想は463.9億ドル、市場予想は461.9億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・7.44-7.74ドル(従来予想は据え置き)
売上高、調整済みEPSとも予想を上回った。22年度通期ベースの売上高ガイダンスは予想を下回った。
今後の株価見通し
大型薬品株はディフェンシブの代表格であり、現在の相場環境下で活躍してきた。22年度通年ベースのガイダンスが弱かったが、買い直された。短期的には80ドルを目指す展開が見込まれる。
ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)決算:1株利益は1.29ドルで市場予想を上回る
ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスは、2021年12月末現在、18ブランドにまたがる1,074,791室の客室を運営しており、中規模からラグジュアリーのホテル事業に取り組んでいる。
HamptonとHiltonが、2021年12月末時点でそれぞれ総客室数の28%、21%を占める2大ブランドである。ここ数年で開業した新しいブランドには、Home2、Curio、Canopy、Tru、Tempoがある。管理客室とフランチャイズ客室が、調整済みEBITDAの大部分を占めるが、収益は主に米州からのものである。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比69%増の22.40億ドル(市場予想は21.19億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.29ドル(市場予想は1.05ドル)
2022年度通期ガイダンス
★調整後EPS・・・4.21-4.46ドル(従来予想は3.77-4.02ドル、市場予想は4.09ドル)
★EBITDA(調整済み)・・・24.0-25.0億ドル(従来予想は22.50-23.50億ドル)
売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。客室稼働率、平均客室単価(ADR)、販売可能客室1室あたりの売上高(RevPAR)も全て予想を上回った。続く第3四半期の調整済みEPSガイダンスレンジも予想を上回った。更に、22年度通期ベースの調整済みEPSガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。同EBITDAガイダンスレンジも引き上げた。
今後の株価見通し
好決算を受け、株価は反発し、ベアトレンドを上抜いた。145ドルを目指す展開が見込まれる。
ビザ(V)決算:1株利益は1.98ドルで市場予想を上回る
ビザは、世界最大級の電子決済処理ネットワーク運営会社である。2021年度の(購入)決済取扱額は10兆ドルを上回り、世界200カ国を超える市場で160種類の通貨の取引を決済する。同社の決済システムは、毎秒65,000件を超える取引を処理することが可能である。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(4月-6月期)実績
★純収入・・・前年同期比19%増の73億ドル(市場予想は70.9億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・1.98ドル(市場予想は1.75ドル)
総収入、調整済みEPS、クロス・ボーダー取引決済金額が全て予想を上回った。ただ、総支払額は2.94兆ドルと予想を下回った。海外旅行が回復しており、クロス・ボーダー取引決済金額が増加したことが業績に貢献した。国境を越えた旅行はパンデミック以来初めて2019年のレベルを上回ったと言う。
今後の株価見通し
235ドル超えから上値追いとなろう。
ブンゲ(BG)決算:1株利益は2.97ドルで市場予想を下回る
ブンゲは、1818年に設立された世界的なアグリビジネスおよび食品会社であり、農家から消費者への食品チェーンに沿った事業を行っている。アグリビジネス部門は、利益の約3分の2を生み出し、世界最大級の油料種子処理能力を有する。包装された植物油およびその他の食品や原料製品の主要な油種子加工業者であり、販売業者である。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比17%増の179.33億ドル(市場予想は185.33億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・2.97ドル(市場予想3.27ドル)
4-6月期(第2四半期)の売上高、調整済みEPSとも予想を下回った。22年度通期ベースの調整済みEPSガイダンスを引き上げ、予想を下回った。
今後の株価見通し
今回の決算は弱かったが、需給が逼迫する穀物は再度買われよう。その意味で、押し目買いの好機である。85ドルレベルに下値支持線がある。
クアルコム(QCOM)決算:1株利益は2.96ドルで市場予想を上回る
クアルコムは、ワイヤレス(無線通信)技術の開発・ライセンス供与、モバイル端末向けチップの設計を手掛ける。
主要な特許技術であるCDMA(符号分割多元接続)およびOFDMA(直交周波数分割多元接続)は、3G/4G移動通信システムのバックボーンネットワークとして無線通信の標準技術となっており、保有する知的財産は事実上すべて無線通信機器メーカーとライセンス契約が結ばれている。
また、5Gネットワーク・テクノロジーでも市場のリーダー的地位を有する。同時に、世界最大のワイヤレスチップのベンダーでもあり、高性能モバイルを製造するほぼ全ての企業に最先端のプロセッサーを供給している。また、スマートフォン向けのRFフロントエンドモジュールや自動車やモノのインターネット(IoT)市場向けのチップも提供している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比37%増の109.3億ドル(市場予想は108.7億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.96ドル(市場予想は2.86ドル)
第4四半期(7月-9月期)ガイダンス
★売上高・・・110-118億ドル(市場予想は119.2億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・3.00-3.30ドル(市場予想は3.26ドル)
売上高、調整済みEPSともに予想を上回った。ただし、続く第4四半期売上高、調整済みEPSガイダンスレンジはともに予想を下回った。
今後の株価見通し
今回の決算では、7‐9月期ガイダンスが弱かった。スマートフォン向けチップの最大手である同社のガイダンスが弱いと言うことは、今後のスマホの売上に疑義が示された。146ドルレベルに下値支持線がある。