先週末まで日経平均は7日続伸し、過熱感が出ている。例えば東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は買われ過ぎとされる目途の130を超えた。3月下旬に日経平均が9連騰した時も騰落レシオはここまで上昇しなかった。先週末の米国市場でナスダックが大きく下げたことと円高への揺り戻しを受けて、週明けの東京市場はさすがに反落するだろう。しかし、ここで一押し入れた方が健全な調整と言える。ナスダックの下げもスナップの急落によるところが大きいし、それほど深刻なものではない。米国の長期金利は大きく低下しており、株価の支えになるだろう。
今週の大きなイベントは、FOMC、米国のGDP速報、GAFAMの決算発表だ。ただ、先週の市場展望でも述べた通り、75bpsの利上げは織り込み済みで材料にはならないだろう。
GAFAMの決算は、マイクロソフト、アルファベットが26日、メタ・プラットフォームズが27日、アップル、アマゾンが28日に発表する予定。先行して決算を発表したネットフリックスやテスラなどの株価は決算発表を受けて上昇した。ネットフリックスは4~6月期の売上高、7~9月期見通しの1株利益と世界の契約者数の増加数の見通しのいずれもが市場予想を下回った。しかし、契約者数が市場予想ほど減らなかったことで大幅高となった。市場はハイテク決算について、少しでも明るい材料に目を向けようとしている。この流れにGAFAMも乗れるか注目したい。
いちばんの波乱材料はGDPかもしれない。エコノミストたちの予測はまだプラス成長を保っているが、アトランタ連銀のGDPNowはとっくにマイナス成長を予想している。1~3月期に続いて2四半期連続のマイナス成長=テクニカル・リセッションとなる可能性もある。市場の懸念はいまやリセッションに移ってきているのでGDP速報値への反応には注目したい。
国内でも4~6月期決算発表が本格化し、前半戦の佳境を迎える。主力どころでは26日にはキヤノン(7751)、27日にはエムスリー(2413)、信越化(4063)、ファナック(6954)、28日には武田(4502)、OLC(4661)、NEC(6701)、ルネサス(6723)、アドバンテスト(6857)、キーエンス(6861)、村田製(6981)、日産(7201)、29日には第一三共(4568)、コマツ(6301)、日立(6501)、ソニー(6758)、デンソー(6902)、三井住友(8316)、みずほ(8411)、JR東日本(9020)、KDDI(9433)などが発表予定。外需企業に関しては、これだけ進んだ円安が実績・見通しにどのように反映されているか注目したい。