今回は特約部分の医療保障の見直しです。
医療特約も、主契約の終身保険に付帯する形で、入院や手術などの際に保険金を支払うものです。定期特約同様、自動更新はされますが、こちらもその時点の年齢に応じて保険料が上がります。リタイヤ後に高額の保険料を払い続ける必要もあるわけです。
もう一つの問題は多くは最長更新しても80歳くらいまでの保障となること。高齢化の現在、それこそ80歳くらいから病院通いや入院の可能性が高まります。その時に保障がなくなってしまうのも困りますよね。
そこで、以前にも紹介しましたが2001年以降自由化された単体の医療保険に注目しましょう。がん保険をはじめ、たくさんの医療保険があります。
最近は上記のような背景からか、終身タイプの医療保険が多いようです。保険料を終身払い続けるタイプ、ある一定の年齢までに払い込むタイプと保険料の払い方にも種類があります。
先進医療も保障したり、手術ごとに数万~数十万円給付したり、3大疾病の場合は給付日数が延長されたり・・・様々なタイプや特約もあります。
いろいろと見ると何でも付けて手厚く備えた方が良い気にもなるかもしれませんが、医療保険も「万が一」のためであることをお忘れなく。
毎年何万円も支払って、(幸せなことに)入院など一度もしない、ということもあります。よく、「入院したら儲かった!」と喜んでいる人がいますが、一入院で病院に支払ったお金以上の保険金が入っただけだということ。加入してから日が浅いうちに入院したのでない限り、それまで何年間も支払った保険料以上を受け取っていることはほとんどないはずです。
保険請求のために病院に依頼する文書にも毎回数千円以上のお金がかかります。複数の保険会社で医療保障をもつことは余計な出費につながります。
また、国や自治体の制度で高額療養費制度(医療費を一定の自己負担限度額までとする。ただし前述の先進医療など保険対象外の治療については公的適用されない。)や重度な病気に対しては特定疾患医療費助成制度や各種手当等があるので、いざ病気になったときに財布の味方は民間の医療保険が全てではないことも知っておきましょう。
どの程度の医療保険が必要十分であるかは、預貯金額などの保有資産額や、今後の支出予定等で異なります。ご自分で十分検討するか、専門家(保険会社の勧誘の方ではなく!)に相談するなどしてみてください。
定期保険も同じですが、保険を見直して新しい保険に入ろうとする場合、当然その時点での健康状態の審査があります。
中高年以上には多く見受けられる高コレステロールや高血圧によって審査が通らないことも多いです。申し込みの時点で一安心せずに、加入が決まるまでは今まで入っていた特約を解約などしてしまわないよう気をつけてくださいね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員