東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅に5日続伸となりました。334円高の27,295円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げると前引け間際に642円高の27,604円まで上昇し637円高の27,599円で前場を終えました。659円高の27,620円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ大引け間際に731円高の27,692円まで上昇すると結局718円高の27,680円と高値圏で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%を超える上昇となったことで東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、SCREENホールディングス(7735)、アドバンテスト(6857)、ディスコ(6146)などが高く、東京エレクトロンが4.9%高、レーザーテックが5.2%高、SCREENホールディングスが4.4%高、アドバンテストが4.7%高、ディスコも3.3%高となりました。

また、昨日の米国市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が3%を超す上昇となるなか日本市場でもハイテク株が買われソニーグループ(6758)が4.1%高となったほか、村田製作所(6981)が4.6%高、TDK(6762)が3.5%高、富士通(6702)も5.1%高となりました。ブリヂストン(5108)も一時3.2%高となりました。自動運転のノウハウを取り入れて自動車の安全性向上につながるタイヤ技術などの開発を加速させるため自動運転ソフトウエアを開発する企業に出資したと発表したことが材料視されました。エアトリ(6191)も4.6%高となりました。子会社のエアトリインターナショナル社が阪急交通社と海外旅行領域にて業務提携を開始すると発表したことで収益の拡大を期待した買いが入りました。

東証スタンダード市場では半導体の設計や開発を手掛けるザインエレクトロニクス(6769)が10.1%高となりました。円安の進行などで外貨建て資産の換算差益が膨らむことから通期の経常利益の見通しを上方修正し減益予想が一転して増益見通しとなったことで買いを集めました。

一方で投資判断の引き下げを受けてIHI(7013)が一時2.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は718円高となりました。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが1%になるとの見方が薄れるなか景気敏感株やハイテク株など幅広い銘柄に短期的な戻りを期待した買いが入り昨日の米国市場が大幅反発となったことで大幅高となりました。一目均衡表の雲の上限(27,206円)を抜けてさらに大きく上げ幅を広げ上値抵抗線として強く意識される200日移動平均線(27,611円)も超えてきたことから今後の展開に期待が膨らみますが、200日移動平均線を上回ると押し戻される展開が続いているだけにこの5日間で1,300円以上上げ利益確定の売りが出やすいなかで明日も堅調な地合いを維持しさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、3月決算企業の第1四半期決算発表がスタートしますが本日は引け後に日本電産(6594)が決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には6月の米中古住宅販売件数が発表されるほか、20日の米国ではテスラ(TSLA)の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)