現在、世界のニュースではウクライナ情勢に最も注目が集まっていますが、先週、騒ぎになったものの一つに「ビットコイン」があります。

ビットコインについて、どれだけ報道されても、どうもピンとこないという方が多いのではないでしょうか。
私自身も取引を行ったことはありませんので、調べ、学びながらまとめてみますね。

元祖はとある日本人の論文によるものとされ、2009年に運用が開始されています。先週、破たんした取引所は東京に本拠地を持ち、2010年にビットコイン専用の取引所として運営開始、一時は世界最大級の取引高があったとのこと。

ビットコインは「仮想通貨」と言われています。が、通貨とは言っても、その供給量をコントロールする中央銀行も存在せず、金利があるわけでもありません。
世界中にいくつもある民間の取引所ごとでその価格が異なることもあり、あたかもFX相場のような実際の米ドルや円との交換比率のチャートもWEB上で見受けられ売買できるのですが、一般のFXと全く同じと思わない方がよいでしょう。
巷では昨年くらいからその高騰ぶりに注目が集まっていました。

ビットコインを入手するには、取引所に口座(=「ビットコイン財布」)を開設し、そこに銀行から実際のお金を入金して購入します。
購入といっても仲介された顧客同士による取引で、取引所は仲介のみ、ビットコインの発行者ではありません。
ちなみに「換金」「交換」は取引所での両替、「送金」とは取引所を経由せず、相手の「ビットコインアドレス」なるものを指定して直接送るとのこと。

ちなみにビットコイン入手するには購入する以外に、インターネット上にあるビットコインを「採掘(マイニング)」することができるそう。
まるで、西部開拓時代のゴールドラッシュのネットゲーム版ですね。

実際に「通貨」として利用できる所もあるとのことですが非常に限定的、そもそも実物資産や政府による信頼性の裏付けは何もありません。
そういう意味では、世界のマイナー「通貨」は、その国の裏付けはあっても、決済や持ち出しに規制があったり、自由に売買できないことも多く、価値そのものは大変に不安定といったものが多数ありますから、超新興国への投資が仮想ではなくともリスクの高さは同じとも言えますね。

過去に投機取引の対象になったチューリップ、ゴールドラッシュの金、それぞれ時間と共にその異常な熱は収束していきました。
仮想通貨なるものを完全拒絶するのではなく、柔軟な見方で理解を深めて行くことをオススメします。将来的には世界共通のルールなどが整うことで、どこの国にも帰属しないバーチャルマネーとして広く一般に定着し、新たな金融システムの一翼を担っていく可能性もあるかもしれません。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員