この週末、身内の保険の見直しを行いました。
FPはお金の専門家ではあるものの、専門分野を持っていることが一般的です。私も過去にはお客様の保険の見直しを手掛けたことは何度もありますが、ここ何年かは資産運用を専門としておりますので、個別の保険の見直しは久しぶりのことでした。

保険の見直しを経験された方も多いかと思いますが、忙しい毎日の中ではなかなか手をつけにくい分野でしょう。
見直しを勧められる、もしくはしなければいけないタイミングというのは、加入中の保険の更新時であることが多いもので、今回私が行ったのもそうです。

金利の高かったバブル期には保険の「予定利率」も高いものでした。
予定利率とは将来の保険金のための運用を予想し保険料を算出するために使う利率のことで、高いということは同じ保険金のために支払う保険料が安いことを意味します。
同金額の保険金のための同期間支払う保険料であれば安いに越したことはなく、バブル期の予定利率の高い頃に加入した保険は「お宝保険」と呼ばれます。

ところで、30代半ば以上の方が加入中の生命保険は主契約の終身保険に特約として定期保険、医療保障などがついているもの主流なのではないでしょうか。
2001年に第3分野保険と呼ばれる医療保険が自由化されて単体の医療保険も多く販売されるようになりましたが、それ以前の国内保険会社の医療保障は特約という形しかなかったのです。

更新時に保険料が変わるのは特約部分、つまり定期保険、医療保障の部分だけで終身保険はずっと保険料は変わりません。

見直しする際に貴重なお宝保険を勧められるままに下取りや転換してしまうと、終身部分も含めて新しい保険に替えることになり、今の低い予定利率を基準に新保険料が決められてしまいます。
保険会社にとっては都合がよい話ですが、契約者にとってはとてももったいないことですからぜひ注意してください。

更新時に注意すべきは、
1.転換の提案書にはすぐにYESと言わない
2.お宝保険は基本的に継続する
3.定期、医療などの特約部分については他社との比較検討をする

保険の世界もどんどん進化していて、目新しい種類の保険がたくさん出てきています。また保険会社そのものも合併や買収により数も名前も変わり、ネット生命保険など新興勢力の存在感が大きくなっています。
各会社の「安全性」もイメージや過去の基準で見るとずれてしまうことに気がつきました。

上記3について検討する際にはインターネットの情報などを上手に活用することをオススメしますが、詳しくはまた別の機会に。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員