明けましておめでとうございます。
昨年末までの急ピッチの過熱した勢いは年初の海外市場で反転、調整の動きとなりましたが、今年1年はどういう動きになるでしょうか。
(この原稿を書いている時点では大発会の終値はまだわかりませんが・・・)
昨年1年の急速な円安、日本株市場の勢いはご承知の通り。
ただ全く同じように今年末までに何十%も株価が上がるといった妄想は持つのは危険ですのでご注意くださいね。
確信的な妄想を持ってしまうと、ちょっと下がると「買い場!」と焦ってしまうこともありがちです。単に買われ過ぎのために実力以上の株価になっているというケースであれば、本来のあるべき株価に戻る過程の高値掴みをしかねません。

さて2014年、税制等でも様々な変化があります。
まず生活に密着した部分では消費税率の引き上げがありますね。
経済に対する打撃に対する措置として、自動車取得税率の引き下げや低所得世帯への現金給付、住宅購入者へのローン控除の拡充などがありますが、その対象者数に比べると国民全体に影響するのが消費増税です。

証券税制はNISAが始まることで、新規NISA口座分は非課税になるものの、これまで保有していた上場株式等の配当、譲渡益などにかかる所得税、住民税は優遇税率が終了したために11年ぶりの20%の税率に戻ります。

公的年金支給額の減額(1%)、高齢者の医療費窓口負担の引き上げなど高齢世帯にとって状況はより厳しくなります。

高速道路のETC割引制度の縮小や一部廃止は個人的にもがっかりしています。
施行そのものは丸1年先の2015年ではありますが、所得税の最高税率の引き上げ、相続税の最高税率の引き上げと非課税枠の縮小も決まっています。
これらは高額所得者や資産家のみが対象だと思っている方もいるかもしれませんが、相続税の非課税枠の縮小によって、これまで相続税の心配のなかった人々も相続時に税金がかかってくる可能性が高まってきました。
今年のうちにぜひとも確認、そして対策を講じるようにしておきましょう。その方法等については今年早いうちにまた取り上げますね。

年初早々厳しい事項を羅列しましたが、いずれも目を背けてはいられない現実です。
明るい相場見通しや希望に満ちた予想は心浮き立つものですが、人々が浮かれ過ぎてしまわないよう重石となるべく発信するのもFPの役目と心得ております。

相場に対してはあくまで冷静に、税制など確定していることに対しては着実な対策や準備をすることで、将来的に「お金に困る」ということがないようにしていきたいものですね。

今年もどうぞよろしくお願いいたします!

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員