東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。233円安の26,190円で寄り付いた日経平均は10時10分過ぎに124円安の26,298円まで持ち直しましたが、上値は重く下げ幅を広げると10時40分過ぎに372円安の26,051円まで下落し333円安の26,089円で前場を終えました。
337円安の26,085円でスタートした後場の日経平均は14時50分過ぎに263円安の26,159円まで戻すと結局315円安の26,107円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ウエルシアホールディングス(3141)が8.8%高となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で滞っていた人流が回復し受診機会が増えて処方箋の受付枚数が増加し調剤事業が回復したことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で5.9%増となり市場予想も上回ったことで買いを集めました。エーザイ(4523)も5.9%高となりました。米バイオジェン(BIIB)と共同開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について米食品医薬品局(FDA)が迅速承認制度による申請を受理し優先審査に指定したと発表したことで大幅高となりました。
東証スタンダード市場では100円ショップ大手のセリア(2782)も6.9%高となりました。6月の既存店売上高が前年同月比で2.7%減となりましたが、5月の4.5%減から減収率が低下したことで買いが優勢となりました。一方で住友金属鉱山(5713)が5.9%安となり年初来安値を更新しました。世界的な景気減速懸念から銅の価格が一時1年7ヶ月ぶりに安値を付けるなど、海外商品市場で非鉄金属の価格が下落したことを嫌気した売りが出ました。DOWAホールディングス(5714)も4.9%安となっています。
また、原油価格の下落を受けて石油関連銘柄が売られINPEX(1605)が10.1%安、石油資源開発(1662)が8.0%安、出光興産(5019)が6.1%安、ENEOSホールディングス(5020)も4.8%安となったほか、原油や非鉄金属など資源市況の悪化を受けて大手商社も安く三井物産(8031)が5.5%安、住友商事(8053)が4.5%安、三菱商事(8058)も4.9%安となっています。さらに世界景気の先行きに不安が広がるなか自動車株が安くトヨタ(7203)が一時3.5%安、日産(7201)が4.6%安、マツダ(7261)が4.7%安、SUBARU(7270)も3.4%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は315円安となりました。米国で景気後退の予兆とされる10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールドが発生し景気後退懸念からダウ平均が反落となったこともあって売りが優勢となりました。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や米ISM非製造業景況感指数の発表を控えていることで動きにくいこともあって下げ幅を広げました。しかし、節目の26,000円近辺では押し目買いも入り下げ渋りました。週末に米雇用統計の発表を控え明日も様子見になりやすいといえますが、こうしたなかで売りが優勢となった場合には引き続き26,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、6月の米ISM非製造業景況感指数は日本時間の23時に発表される予定で、6月開催分のFOMC議事要旨は7日午前3時に公表される予定です。また、小売り企業を中心とした2月決算企業の第1四半期決算発表が続いていますが本日も引け後にイオン(8267)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)