金融業界は年末年始のお休みが短く、カレンダーの並びによっては4連休のみ。(今年は6連休になるので喜んでいる人も多いことでしょう!)
海外の市場は年明け2日からスタートしますから、部署によっては2日が仕事初めで、「よいお年を!」と言って別れてすぐに「明けましておめでとうございます!」と挨拶を交わすような印象ですね。
とは言っても新しく年が変わると気分も心構えも変わるものです。
相場の世界では、やはり「切り替え」が大事です。
今年の勝ちの「慢心」や「驕り」、負けの「落胆」や「暗澹」を年明けまでも引きずらないこと!
日本株に対しては引き続き強気の見通しのオンパレードですし、米国も景気回復の自信を背景にQEⅢ縮小に踏み切りました。今年は、世界マネーの先進国回帰と言われ、各市場がかなり盛り返してきたのも事実です。
ですが、来年も「引き続き・・・」と言う点には期待しつつも、十分に警戒が必要だと思っています。
毎年、年の最後のコラムでは「1年の総決算」について書いてきましたが、今年は少し趣向を変えて、リスクの取り方を再考したいと思います。
先日新聞で目にとまったのが「リスクとルーティン」というコラムです。リスク=革新的と捉え、目新しいことに挑戦することこそがビジネスで大切と思われがちであるけれど、「同じことを間違いなくすることが大切な部署の方が多い」というもの。コラムの筆者はそれでもリスクを取ることの意義を含ませていましたが、ルーティン=定型をおろそかにしない、まずはしっかりと身につけるという部分にはっとしました。
相場の世界の近くにいると常にリスクの大きさのみ気にするようになりがちです。慣れた投資家はリスクをとることが日常化して、その怖さも感じていないことも多いことでしょう。
お伝えしたいのは、リスクを怖いと思えということではありません。
私自身、リスクを取ることは必要だと常に書いてきていますよね。大事なのは、投資の仕方、リスクヘッジの方法を学んだ初心を忘れないということ。
ゲーム感覚で投資を始めたような方は、ぜひとも基本を学ぶことを心掛けてください。
相場が元気な時は、投資家の層が拡がり、それ自体はとてもよいことです。ただし、人のマネをすれば、言われた通りにすれば、勧められれば儲かる・・・といった状況はけっして長くは続きません。
「定型を身に付けた上で、バランスよくリスクを取る」
基本的ではありますが、来年はしっかり身につけていきたいですね。
良いお年をお迎えください!
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員