先日、日経新聞で女子中高校生への「働く力」を養う取り組みについて特集がありました。
その取り組みは将来イキイキと自立して働くにあたって必要な力を養うことに力点を置いていているということで、個人的には大変望ましいものだと思います。
特集では女子校を取り上げていましたが、「働く力」については男子も女子もなく、もっといえば、「働く力」⇒「稼ぎ力」⇒「マネー力」を将来きちんと身につけられるように、小学生くらいから学んでほしいというのが本音です。

よく「結婚相手に経済力を求める」といった表現を目にしますよね。
その際の「経済力」って収入のことだと捉えていませんか?
もし十分に収入のある人でも、それ以上に消費してしまったり、挙句借金をしてしまったりすれば、不安定な生活となってしまいます。
自立し、夢・理想の生活を実現するためには、ただ働けばよいのではなく、そこから必要十分なお金を生み出す「稼ぎ力」をもち、それを上手に生かしコントロールする「マネー力」が必要です。
「働く力」「稼ぎ力」「マネー力」が相まってこその「経済力」だと思うのです。

実経済については学校で学ぶ機会がなく、かつ、子供にお金の話をするのはよくないといった風潮もあったため、今の大人はお金全般について苦手意識を持つ方も少なくありませんよね。
投資をわからないからと遠ざけたり、ギャンブルと思いこんだり、逆に投資のマネーゲーム的な部分にのみ集中してしまったりするのも、そんな背景からなのではないでしょうか。

最近では子供のときから「お金について学ばせる」ということに積極的に取り組む方も増えてきているようです。
お小遣いを自分でやりくりさせる、株式投資をゲームの形で体験することで経済社会を学ばせる、などなど。
ぜひとも、そうした経験を通して将来的に真の「経済力」を身につけていってもらいたいものです。

ではお金が苦手な大人はもう手遅れ?・・・というと、もちろんそんなことはありません。
「経済力」は外国語の発音ではありませんから、子供の時にしか本物を得られないわけではありません。
仕事をして収入を得ていれば、「働く力」「稼ぎ力」は既にもっているわけです。
もちろんそれを磨くことで、より満足度の高い仕事で、より高い収入を得られるかもしれません。
そして実社会の経験こそ、「マネー力」をより高めるものとなります。
ただし、努力して勉強することが必要です。
どこかの時点で学ばなければ、経済の仕組みも投資の仕組みも理解することはできませんので。

今からでもけっして遅くはありませんから、「マネー力」を高めるために学ぶことをあきらめないでくださいね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員