先週金曜日29日は、米国の「ブラックフライデー」でした。
11月第4木曜日の感謝祭の翌日、米国のクリスマス商戦の火ぶたが切られる日です。翌月曜日、つまり本日はオンライン売上が上昇する日として「サイバーマンデー」と呼ばれます。

日本はもとより、米国でも感謝祭やクリスマスは、かなり商業的な意味が強くなっているようです。

ちなみにクリスマスには準備期間というものがあり、クリスマス直前の日曜日から4週間前の日曜日からの約1カ月を「アドベンツ」(=待降節)と呼びます。こちらはカレンダー、リース、キャンドルといったアドベンツ専用の定番グッズもあるのですが、日本にはまだそれほど浸透していない、つまりそれほど商業ベースには乗せられてはいないようです。

さてクリスマス商戦ですが、好調な滑り出しで、米ウォルマートは29日にブラックフライデーセールの記録を更新したと発表したとのこと。
今週は、米国では5日に7~9月の米GDP(改定値)の発表、6日には11月の雇用統計が控えています。雇用統計の数字が予想より強いものとなれば、クリスマス商戦の勢いもますます強まることが予想されます。

ここまで日米とも株式相場は強い動きで、上記のようなニュースはますます投資家の「気」を煽ります。もちろん、楽観論ばかりではなく、すでに高値警戒の声も高まってはいるのですが、気を引き締めて思い出しておきたいことがもう一つ。

今年10月、米国債がよもやデフォルトかと心配されたことは記憶に新しいですよね。ぎりぎりになって連邦債務上限引き上げと政府機関再開に向けた上院与野党合意案が可決、デフォルトは回避されました。
その際、今年12月中旬(13日)までに「超党派で財政赤字削減策をまとめる」ということも盛り込まれ、その期限が迫ってきています。

来年2月まではとりあえずデフォルトの危険はないものの、単なる「先送り」をして凌いできたわけですから、米国財政が根本解決はしていない危うい状況にあることには変わりありません。
はたして今月13日までに財政赤字削減策がまとまるのか・・・今後を見据えて注目しておきたいですね。

日本でも「気」が牽引し、ようやく景気回復感の裾野が拡がってきました。ニュースでは景気の良い話題が多くなってはいるものの、こちらも根本解決しているわけではないことはお忘れなく。

両国の中央銀行は共に「バブル」を否定していますが、浮かれ過ぎずにいつでも対処できる姿勢はとっておきましょう。
もちろん、怖いから投資に背を向ける・・・のではなく、無理のないリスクを取り、しっかりと相場上昇には乗って利益を得ることを目標にしたいですね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員