NISA投資に限らず、初心者に投資信託は適していますので、誰もが注意すべきポイントを確認します。
●コスト
いくらリターンがあっても保有中のコスト(信託報酬等)が高ければ手元に残るモノは少なくなります。例えわずかな差でも長期投資をする場合、じわじわとボディブローのように効いてくるものです。
またインデックス型やバランス型ではノーロード(販売手数料がかからない)が多いですが、もちろん手数料は「なし」に越したことはありません。
●運用実績
これまでの成果が今後を約束するものではないものの、実績が見ておくことは材料の一つといえます。
各金融会社ではNISA専用と新しいファンドを多く立ち上げていますが、方針は伝えられていても、実際にどのような運用になるかはわかりません。
これまでの騰落率や運用実績を他の類似ファンドと比較することをオススメします。
●インデックス型の運用実績を見るとき
インデックス型は日経平均やTOPIXなどの指数=ベンチマークに連動することを目標(パッシブ運用)とします。乖離してリターンを上げているとしてもそれは「良し」とは判断されない(リスクが大きくなっている)ことに気をつけましょう。(指数の動きとファンドの基準価額の乖離をトラッキングエラーといいます)
ベンチマークからプラスに乖離することを評価されるのは「アクティブ運用」のファンドです。
●アクティブ運用の場合
バランス型の中にはアクティブ運用のものもあります。アクティブ運用では運用者(ファンドマネージャー)の腕次第で成績が変わる場合もあります。
ファンドマネージャーの経験年数や実績も確認しましょう。
●ファンドの規模(純資産残高)
安定的な運用を行うためにはある程度の規模が必要です。あまりに規模が小さいと十分な分散投資が行えないことも。出入りが激しい、もしくはどんどん規模が縮小しているといったファンドも注意しましょう。
一般的には30億円以上の純資産残高は安心できると言われます。
大きければ大きいほど良いわけではなく、逆に機動力に欠けてしまうこともあります。
●長期投資するなら
分配金は一見とても魅力的。ですが、長期投資で資産を増やすことを第一に考えるのであれば益出しせずに分配金を再投資する方が複利効果を高められます。
他人が良いと勧めても、投資家本人の投資スタイルや好みとの相性もあります。ご自分が気に入るファンドを選べるよう、ぜひ自身でチェックしてみてくださいね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員