現役時代はサラリーマン、現在は引退されていて、年齢的に企業年金などは恵まれている世代だと思いますが、(失礼ながら)大資産家というわけではないようです。
その方の趣味にはとてもお金のかかるものもあります。
先日、何気ない会話の中でその秘訣が明かされました。
「早いうちからライフプランを考えて実行してきたんですよ。」
FPという職業柄、何かにつけて「マネープラン」「ライフプラン」という言葉は使うものですが、仕事以外の場でそうした言葉を他の方から聞き、なんだか嬉しい気分になりました。
引退後、何をして過ごしたいのか、そのためにはどれくらい資金が必要なのか。そこを明確にすることで資金計画もしっかりとされていたようです。
現役時代にコツコツと軍資金を貯め(月々のお小遣いの中からとのこと)、高額な欲しいモノは現役のうちに手に入れ、将来用の資金は「投資」に回していたということです。
また、どういう働き方をすればいつまで現役続行できるかを念頭に、50代半ばで転籍をされ、キャリアプランも引退後を見据えて実行されてきたとのこと。
あっぱれです!
資金もバブル期に幸運な売り抜けをし、その大勝益を切り崩しているというわけではなく、失われた20年、リーマンショックと、私たちが遭遇してきた同じ厳しい相場環境の中で運用を続けてきて、現在も引き続き、投資をされています。投資資金が何分の一かになるような大きな損も経験されてきたとのこと。
コツコツと、市場から強制退場されないようにリスクコントロールして、長く投資活動を続けることこそが、長期投資であり、実を結ぶということですね。
投資が人生を豊かにするための大切な手段であることを再認識しました。
実際の生活の中でライフプランを組み立て、その通りに実行していくのは難しいのは事実です。
年齢にかかわりなく、何かしたいことがあっても、「お金」、「時間」、「健康」の3つが上手く合致しないことには達成できないものもあります。
でも目標をもち、実現する手段とタイミングを考えていくことは楽しいことでもあるはずですよね。
その友人世代であれば、50代からのライフプランでシニアライフを充実させられたかもしれませんが、現在の厳しい環境では30~40代から、いえ、できれば20代から自分の行動と将来の目標を結び付けたマネープランを考えていくようにしたいですね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員