東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて4日続伸となりました。156円高の28,100円と節目の28,000円を上回って寄り付いた日経平均は9時20分過ぎに145円高の28,089円までやや弱含みましたが、切り返しじりじりと上げ幅を広げると11時10分に281円高の28,225円まで上昇し264円高の28,208円で前場を終えました。後場の日経平均は上げ幅をやや縮め217円高の28,161円でスタートしたものの、引けにかけて上げ幅を広げると結局290円高の28,234円で取引を終え高値引けとなっています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579)が一時3.3%高となりました。傘下のコカ・コーラボトラーズジャパンが小型ペットボトルの飲料など120品目や酒類を値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。鳥貴族ホールディングス(3193)も6.3%高となり年初来高値を更新しました。前年に新型コロナウイルスの影響で客数が大幅に落ち込んだ反動で5月の既存店売上高が急回復をみせたことが好感されました。農薬専業のクミアイ化学工業(4996)も4.3%高となり年初来高値を更新しました。畑作用除草剤「アクシーブ剤」の輸出向け販売が好調に推移したことや、為替レートが想定よりも円安で推移したことなどから通期の営業利益の見通しを90億円から125億円に上方修正したことで買いを集めました。また、原油価格の上昇を受けてINPEX(1605)や石油資源開発(1662)が高く、INPEXが4.7%高、石油資源開発も5.7%高となり揃って年初来高値を更新しています。
さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが日揮ホールディングス(1963)や神戸物産(3038)で、日揮ホールディングスが目標株価の引き上げを受けて12.0%高となり年初来高値を更新し、神戸物産も投資判断と目標株価の引き上げを受けて6.9%高となっています。
一方で米長期金利が低下したことで生保株が安く、第一生命ホールディングス(8750)が一時3.6%安となり、T&Dホールディングス(8795)も一時2.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は290円高となりました。米長期金利の上昇一服を受けて昨日の米国市場が続伸となったことで買いが優勢となりました。引けにかけて上げ幅を広げ高値引けとなりましたが、3月に付けた戻り高値(28,252円)にはわずかに届きませんでした。しかし、3日に昨年9月に付けた高値から今年3月の安値の半値戻しを達成すると、昨日は上値抵抗線として意識されていた200日移動平均線を上回り、そして本日は節目の28,000円を回復しました。次々とテクニカル面での改善がみられることから先高期待が一段と高まりそうで、こうしたなかで本日に超えることができなかった3月の戻り高値を上回り水準をさらに切り上げることができるかが次はポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)