先週金曜日の注目の米雇用統計は最終的に市場に「好感」される結果となりましたが、発表直後からは荒れた展開でした。
景気動向を反映すると言われる非農業部門の就業者数の増加幅が拡大した一方、わずかながら失業率は悪化(事前予想通り)しました。

要は「強すぎず、弱すぎず」という結果で、「米雇用=景気は緩やかな回復基調でも、量的緩和政策を「出口」に向かわせるほどの強さはない」と市場は判断したということです。

本来、指標に対する素直な反応は強い数字に好感、弱い数字には失望、となるはずです。市場が「出口」に向かうことを警戒している今だからこそ、回復の足取りが「遅い」ことが好感されるという、経済のセオリーから見ればおかしな反応ですよね。

先週も書きましたが、市場のテーマが「出口戦略へのタイミング」を探ることとなっているため、教科書通りの動きをしなくなっているということです。

投資を始めるとき、ノウハウだけではなく、経済や市場について教科書的な基本を「勉強」することは非常に大切で、不可欠だと思います。
思いつきや勘、人マネだけでは結果として市場の後追いになることも多く、ケガをする率も高くなるでしょう。

教科書には載っていない、でもとても重要なのが、「市場の旬なテーマ」を何か知っておくことです。
相場は人間が動かしている以上、人々の関心=テーマが動きの中心になってきます。最重要な指標結果ですら、そのテーマに関連付けられた解釈で判断されることとなるのです。それがたとえ教科書に書かれている動きとは異なっていても・・・。

もちろん完全なチャート派、テクニカル分析派の方にとっては、全ては織り込み済みで、チャートからのみで判断されるかもしれません。
それでも最終的な判断はさておき、市場の関心ごと、思惑について知っておくことはけっして無駄なことではないはずです。
旬なテーマを把握し、その情報を集めて相場と向き合うことをオススメします。
もう一つ、投資を勉強した方は、こうした乱高下を繰り返す荒れた市場のときは、
「休むも相場」
「売るべし買うべし休むべし」
という相場の格言を思い出されるかもしれません。

荒れた相場にはチャンスがあります。が、それだけリスクは大きく、損を取り返そうと焦って冷静さを失っているときにはそのリスクは増大します。

一休みして相場を見ることも大切ですし、こんな時こそ自身で決めた投資ルールをキチンと守って、しっかりと情報を集め、見極めた投資を行うようにしたいですね。

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員