【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,813.23  ▼176.89 (6/1)
NASDAQ: 11,994.46  ▼86.93 (6/1)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を嫌気して続落となりました。166ドル高でスタートしたダウ平均は直後に282ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと上げ幅を縮めまもなくしてマイナスに転じ昼過ぎには405ドル安まで下落しました。その後前日終値近辺まで一旦持ち直したダウ平均ですが戻し切れないと引けにかけて下げ幅を広げ結局176ドル安の32,813ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も86ポイント安の11,994ポイントとなっています。

2.経済指標等

5月の米ISM製造業景況感指数は56.1と前月から上昇し低下を見込んでいた市場予想を上回りました。一方で4月の米建設支出は年率換算で前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、米経済は拡大を続けたものの一部で減速がみられたとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、金融とヘルスケア、生活必需品、不動産、素材が1%以上下落しました。一方でエネルギーが1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもウォルマート(WMT)が2%を超える下落となったほか、スリーエム(MMM)とアメリカン・エキスプレス(AXP)、JPモルガン・チェース(JPM)も2%近く下げました。一方で決算が市場予想を上回る増収となり、通期の1株利益の見通しを引き上げたセールスフォース(CRM)が10%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外ではパソコン大手のHP(HPQ)が決算で売上高が市場予想を上回ったうえ、通期の1株利益の見通しを上方修正したことから4%近く上げています。女性用下着のヴィクトリアズ・シークレット(VSCO)も決算で売上高が市場予想ほど減らなかったことで9%近く上昇しています。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)はシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)の退任が明らかになったことで2%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利はISM製造業景況感指数が低下を見込んでいた市場予想に反し上昇したことで0.06%高い2.90%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ130円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が続落となる一方でドル円が円安に振れるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が堅調な地合いを維持し節目の27,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)