東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日ぶりに反発となりました。342円高の26,947円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで391円高の26,996円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと11時20分前に157円高の26,762円まで上げ幅を縮め168円高の26,772円で前場を終えました。180円高の26,785円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに126円高の26,731円まで上げ幅を縮めた後13時40分前に195円高の26,800円まで上昇すると結局176円高の26,781円で取引を終えています。一方で新興株の東証マザーズ指数は小幅に下落となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が3.4%高となりました。決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで出資するアリババ集団(BABA)が昨日の米国市場で大幅高となったことで買いを集めました。日本製鉄(5401)も3.1%高となりました。自動車や家電など幅広い製品に使う鋼板の一般流通(店売り)価格が9ヶ月ぶりに上昇したことで収益の改善を期待した買いが入りました。

また、岸田首相が新型コロナウイルス対策で止めていた外国人観光客の入国を6月10日から再開すると表明したことでインバウンド関連銘柄が高く、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)が9.3%高、共立メンテナンス(9616)が5.4%高、資生堂(4911)も3.9%高となり、共立メンテナンスは年初来高値を更新しています。さらに日本郵船(9101)が9月30日を基準日として1株を3株に分割すると発表したことで流動性の向上を好感した買いが入り6.4%高となったほか、川崎汽船(9107)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて5.0%高となり年初来高値を更新しています。ニコン(7731)も目標株価の引き上げを好感して7.2%高となり年初来高値を更新しています。

一方でダイドーグループホールディングス(2590)が主力の国内飲料事業で自動販売機経由での販売が落ち込んだことや、コーヒー飲料の原材料高、物流費やエネルギー価格の上昇などもあり第1四半期の営業損益が赤字に転落したことで3.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は176円高となりました。米小売企業に市場予想を上回る決算の発表が相次ぎ消費関連株を中心に買いが入り昨日の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となり一時は400円近く上昇しました。しかし、節目の27,000円を前に伸び悩むと上げ幅を縮め一目均衡表の雲の上限(26,789円)や75日移動平均線(26,800円)を引けで上回ることができませんでした。そのため上値の重さが改めて意識されそうで、こうしたなかで週明け以降も買いが優勢となった場合には上値抵抗線として意識されやすい一目均衡表の雲の上限や75日移動平均線を超えて水準を切り上げ、27,000円を回復することができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分には4月の米個人所得と個人消費支出(PCE)が発表されるほか、23時には5月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)