【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,637.19  △516.91 (5/26)
NASDAQ: 11,740.65  △305.91 (5/26)

1.概況

米国市場は百貨店のメーシーズ(M)や1ドルショップのダラー・ツリー(DLTR)など小売企業で市場予想を上回る決算の発表が相次いだことで消費関連株を中心に買いが入り大幅続伸となりました。127ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに650ドル高まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、高値圏で堅調に推移すると取引終盤に653ドル高まで上昇し高値を付けました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局516ドル高の32,637ドルで取引を終え5日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も305ポイント高の11,740ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等

1‐3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.5%減と速報値の1.4%減から下方修正され上方修正を見込んでいた市場予想を下回りました。また、4月の中古住宅販売仮契約指数も前月比3.9%低下の99.3となり市場予想を下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件減の21万件となり市場予想を上回る改善となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産を除く10業種が上げました。そのなかでも一般消費財・サービスが5%近く上昇し、情報技術と金融、コミュニケーション・サービスも2%以上上げています。また、資本財・サービスと素材も2%近く上昇しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)とナイキ(NKE)が4%を超える上昇となり、ホーム・デポ(HD)とインテル(INTC)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上上げています。一方でメルク(MRK)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の3銘柄が下げ、メルクは1%を超える下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、市場予想を上回る決算を発表したメーシーズやダラー・ツリーが急伸し、メーシーズが19%以上上げたほか、ダラー・ツリーも22%近く上昇しました。電気自動車のテスラ(TSLA)もドイツのベルリン郊外の工場拡張に向けた手続きを始めたと伝わったことで7%を上回る上昇となっています。また、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も5%余り上げました。5-7月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで下落して始まりましたが、データセンター主導での回復に期待した買いが入り切り返すと大幅高となりました。他の半導体株も堅調でアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%を超える上昇となり、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い2.75%となりました。ドル円は127円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)